「うあぁー……落ち着くー」

「あら、名前じゃない」




十番隊のソファに体を預けてだらだらしていた。そんな昼下がり。なにしてんのよ、と顔を覗きこんできた乱菊さんにへらりと笑ってみせる。いやー



「今日もお綺麗ですねーお姉様」

「なによ嬉しいこと言ってくれちゃってー!」




ふふ、と笑う乱菊さん。うあーまじ綺麗羨ましい。あたしレズになれるよきっと!……うんごめん




「あんたこそ可愛いじゃないもう!」

「うぶっ」




一人でふむふむ考えていたら急に乱菊さんにぎゅうぎゅう抱きしめられた。嬉しい! うれしい、けど……




「おい松本、やめてやれ」

「隊長!」

「名前死にかけてんぞ」

「うぅ」

「あ、ごめん」




抱きしめられて胸に溺れるってなんだどんだけ巨乳なんだどーせあたしは貧乳ですけども、




「ありがとひっつん」




とりあえず助けてくれたひっつんにお礼を言うとぐっと眉を寄せられた。なんだその顔はかわいいなぁ!




「日・番・谷・隊・長・だ!」

「いやぁひっつんかわいい」

「お前人の話聞いてないだろ」




あたしやっぱり異動するならここか(ひっつんかわいいし乱菊さん綺麗だし)四番隊(楽そry)がよかったなー。三番隊はこのとおりだし他の隊も大変そうだったり腹黒いのがいたりうざいのがいたりするし。




「つーかお前はなに勝手にくつろいでんだよ」

「いやぁ落ち着くもんで」

「なぁに名前、三番隊じゃくつろげないの?」

「そう!」




聞いてくれよ!とここに来た理由である上司について二人に愚痴る。




「なんかさー最近狐のセクハラが酷くなってるし吉良副隊長は凄い量の書類渡してくるし」

「もしかしてお前今サボりか」

「あんなんじゃくつろげないってんですよ!」

「おい無視か」

「あー十二番隊は楽だったのになーもーどーりーたーいー!」

「……」

「どんまい隊長」

「松本!」




がら、

窓が外から開けられ、見知った人物が無遠慮に入ってくる。




「お邪魔するでー、うちの名前ちゃんおりますかー……お、おったおった」

「うげ、市丸!」

「名前ちゃーん、サボったらあかんやないの。イズル怒っとるで」

「お前が言うなお前が!」

「ほな日番谷はん、乱菊、お邪魔しましたー」

「ちょ、勝手に、わっひっつん乱菊さんじゃあねぅわぁぁぁぁぁぁあ!!!」




どんどん話が進み、結局腕を引かれ連れ出されてしまった。ちくしょーおま、お前のがサボり魔だろーが狐!




「なんや日番谷はんと仲エエやん」

「あー……ははは」

「ボク嫉妬してまうよ?」




いつも通りの真意が見えない笑顔。ぎゅっと強くなる腕の力。とくりと、心臓が鳴った気がした。




「……ぁー……あの、どこ行くつもりで」




目的地であるはずの三番隊とは違う方向に進む足に尋ねれば更に上がる口角、




「甘味処、いきたない?」

「え、いきたい!」

「ほないこ」




ふとさっきのこいつの言葉を思いだし、つられて上がっていた口角もひくりと動く。




「……副隊長に怒られるんじゃ、」




副隊長の般若のような顔を思い浮かべてふるりと身震いすれば、くく、とくぐもった笑いが隣から零れる。




「いやぁイズルん怒った顔思い出したら……」




そう言って肩を揺らす上司はやはりいまだに掴めない。




「……怖い人」

「褒め言葉やろ?」

「もちろん」





引かれていた腕を今度は自分から引いて甘味処へ向かった。








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アンケートご協力ありがとうございます。
圧倒的な市丸人気にびっくりしつつによによしております。
ひっつんとも絡ませたんですがからかわせることはできませんでした。うーん無念。
平子は私も大っ好きなので早く出したいですねー。
シチュエーションなどなにかいいネタありましたらアンケート等で提供いただけましたら喜びます。
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