どうしてこうなった。
「おいおいお前ホントに三席かよ!」
そう言って斬魄刀を振り回す十一番隊六席の……名前忘れた。それを斬魄刀抜かずに避けるあたし。ホントどうしてこうなった、と先程の出来事を思い出す。
………………………………
「おい!」
「……誰」
「お前三番隊三席の名前だな」
「そうですけど」
「はっ、弱そうな面しやがって」
「なに急に…まぁ弱いけど」
「気にくわねぇんだよ。てめぇみたいに弱い女が俺より上にいんのがよぉ」
「はぁ、」
「俺と勝負しろ」
「いや、あんたのが強いってことでもうよくない?」
「なんだ、自信ねぇのか」
「あーはいはい」
「負んのが怖いんだろ」
「はいはい」
「逃げんのかよ!」
「……逃げる?」
…………………………………
今思えばあそこでかちんときてやってやろーじゃねぇか女馬鹿にすると痛い目みんぞコノヤロー!と叫んだあたしが悪い。うん。だってだって斬魄刀でやるなんて思わないじゃん!
「でかい口叩いた割に逃げてばっかじゃねぇか!」
「うるさいなぁ」
そろそろ避けるのも飽きてきたので斬魄刀に手をかける。
解放しなきゃ、大丈夫だよね。
相手はとっくに解放しているがたいして怖い能力でもない。第一使い方が荒くて斬魄刀の本当の能力を出し切れてない。
「解放しねぇのかよ」
「しない」
「はっ、そうかよ!!」
相手の斬撃を刀で受ける。思ったより重いなぁ、力はありますって感じ。
それでもなんなく受けていたが、斬魄刀に太陽の光がキラリと反射して目に刺さった。
やば、
思ったときには遅く、頬を刃物が通り抜ける感覚。
「チッ 避けられたか」
頬がどくどくと熱くなり、そこから全身へ広がっていく。
手を頬へやると指先にぬちゃりとした感触。
血が、出て る ?
あたしの?
どくどくとした感じが大きくなって、
ダメ、止まんない
血
紅い血
あたしの
血
血
血
血
血
「、あぁああああああああああ!」
「!! お、おい、何だよこの霊圧!」
一気に霊圧が上がるのがわかる。止めなきゃ、でも止まんない。なんでいつもは制御出来るのに、何これ。
力が暴走する
「告げろ う「ストップ」
がしり、
腕を掴まれた。
「ほれ見てみ、相手霊圧にあてられて気ィ失ってるで」
「とりあえず落ち着いて、深呼吸してみ、名前ちゃん」
「とりあえず落ち着いて、深呼吸して下さい、名前サン」
「…………隊、長 ?」
そして記憶は、途切れた。