「あの、」
「んー?」
「吉良副隊長は」
「今は現世やで」
他隊へ書類を届けて帰ってくると珍しく市丸が仕事をしていた。吉良副隊長は現世へ行ったらしい。なんか違和感。多分隊舎に市丸と二人なんて初めてだからだと思う。
「珍しいですね、サボらず仕事なんて」
「名前ちゃん一人じゃ寂しい思て」
「別に寂しくないですけど」
むしろ誰もいなかったら寝れるし最高じゃないか、とは言わないでおいたけど実際市丸真面目にが仕事してたらあたしも真面目にしなきゃと思うから大変だ。やはり三席になってからは仕事量が増えてサボることも少なくなった。
「…」
「…」
うん、やっぱり真面目にしたほうが良さそうだ。たまにはサボり魔二人が真面目に仕事ってのもないとね。
「なぁ名前ちゃん」
真面目に真面目に
「名前ちゃん」
真面目に真面目に真面目に
「名前ちゃーん?」
真面目に真面目に真面目に真面目に
「…名前」
「ぎやぁぁぁ」
真面目にと努めていたらいつのまにか市丸が真後ろにいて耳元で、耳元で!(大事なことなので2回言いました)囁かれた。飛びのいて耳を押さえるとにやりと笑う市丸。か、確信犯!
「やっぱり、名前ちゃん耳弱いんや」
「うるさい黙れ狐」
「僕んこと無視するからやで」
「うるさい黙れ狐」
「…へーそういうこと言うんや」
「へ」
市丸が消えたと思ったら後ろからがっちり抱え込まれた。え、ちょ瞬歩の無駄遣い!
「悪い子にはお仕置きやなぁ」
「ひゃっ…耳元で話すな!」
「んー?」
こいつ…!
いつもより低い声で息多めにしゃべる市丸。ホントこいつどうにかして!
「はーなーせー!」
「足掻いても無駄無駄」
くすくす笑う狐の腕から逃れようとするが曲がりなりにも隊長であるこいつの力には敵わなかった。
「も、ホント…はなして」
「ふっ、名前ちゃんかわええ」
ガラッ
「あ」
「あ」
「あ」
「助けて副隊長!」
その後帰ってきた副隊長に救出してもらった。
「ホント何考えてるんですか!」
「やって名前ちゃんかわええんやもん」
「…」
「え、何? その目めっちゃ恐いんやけど」
「軽蔑の眼差しです」
「名前ちゃん大丈夫?」
「大丈夫です副隊長に助けてもらいましたから」
「…顔、赤いよ」
「赤くありません」
「赤「くありません」
はぁ
十二番隊に帰りたい…!!
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どうしてこうなった/(^o^)\