「失礼しまーす」



清々しい気分で十三番隊へ。
するとその気分を壊すような足音が聞こえてきた。



「名前ー!!!」
「ごふっ」



見事なタックルをかましてくれたのは十三番隊第三席で勇音ちゃんの妹でもある清音だ。清音とはずいぶんと前から仲がよくて実は勇音ちゃんと仲良くなったのも不本意だけど清音を通してだったりする。



「…なにタックルかましてくれてんのかな清音ちゃん?」
「三席になったんだってねー遂に並ばれちゃったかーまぁでも名前が本気だせば席官なんてすぐだと思ってたけど!あ、でもでもあたしのが強いんだからね次はサボんないでちゃんと勝負してよね!あそうだじゃあ早速だけど私明日偶然非番だから十三番隊の道場でしょうぶ」
「黙らっしゃい」



相変わらずのマシンガントークっぷりだな耳いたいっつの。清音の話に一々返事してたらキリがないのは知ってるから勝手に話を進める。



「ここの隊長呼んでくんない?」
「な!!名前まで浮竹隊長のことを好きに…!?」
「違うから、てか浮竹っていうんだここの隊長。さっさと呼んでこいよ」



猛ダッシュで呼びに行った清音の隊長ぉぉお!!という耳をつんざく声の後にうるせぇんだよ隊長はいま寝てんだ静かにしやがれ!という男の声が聞こえた。いやいやあんたのが煩いと思うんだけど、



「君が名前ちゃんかい?」
「あ、はい三番隊の三席を勤めさせていただきます。よろしくお願いします」



しばらく清音と男の言い争いを聞いていたら奥から白髪ロングヘアーの優しそおなおっさんが出てきた。多分浮竹?だと思うんだけどどうなんだろ、なんか…言っちゃわるいけどペイッってやったら倒れちゃいそうだな…



「お菓子は好きか?」
「…へ」



言葉を理解する前に目の前にお菓子を山のようにおかれた。え、ちょなんなのこの人。



「いやー日番谷隊長にあげようとしてもいつも断られちゃうんだよ、名前ちゃん小さいしお菓子好きなんじゃない?」
「……」



な・ん・だ、このおやじ。今まで誰もが突っ込まなかったあたしのコンプレックスに土足で踏み込んで来やがった!しかも日番谷って誰だし!



「140はありますから!」



叫んでその場から立ち去る。まぁお菓子はちゃっかり貰っていくがな!!

結論、浮竹っていい人そうだけど天然で失礼(悪気はなさそうな感じがする)

「わっ」
「うゎっ」



勢いよく扉を開けて飛び出したところで誰かとぶつかった。急いで体制をたてなおしてぶつかった相手をギリギリ支えることができた。



「すみません、怪我ないですか?」
「い、いや私が……名前殿!」
「え?」



ぶつかった相手はかわいい女の子だった。でもなんであたしの名前知ってるんだろ?こんなかわいい子知り合いだったら忘れるわけないんだけど……



「はっ、失礼しました名前三席。私がぼーっとしていたので」
「いや、」



私こそと続けようとしたところで目の前に急に市丸が現れた。



「ぅわっ!瞬歩で現れないでよ!」
「探したんやで名前ちゃん。もうそろそろ終わる頃や思て。やのにまだ十三番隊なんやからーはよせんと日暮れてまうで」
「はぁ!?一人にされてどんだけ苦労したかわかって、」



言いかけたところでがしりと担がれる。え、ちょデジャブ……



「ほな行くでー」
「人の話聞かんかい狐!ごめんねぶつかって!じゃあね!」



ずっと固まってた女の子に謝ったところで一気に周りの景色がとんだ。…もういや、


それにしてもあの子誰だったんだろ?
まぁいっか、またそのうち会えるだろうし。
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