いつからかあいつの気持ちがわからなくなった。死神業で忙しくなったからだとおもっていた。気付いたら壁ができていた。それは簡単には壊せないくらい厚いものになってしまっていた。そして気付いた。俺はあいつが好きなんだと、
「離して、黒崎くん」
言われた途端に息がしづらくなった。名前の冷たい目を見て心臓をえぐられる気分になった。一瞬名前に呼ばれた黒崎という人物が誰なのか考えたが考えたところで俺が黒崎一護だということは変わらなかった。
いつのまに壁はこんなにも厚くなってしまっていたのだろう。もっとはやくに俺が気付いて壊していればよかったのか、
名前とは親友だった。なんでも言い合えたしお互いの変化にはすぐに気付いて相談にのったり解決したりした。
だけどいつからかあいつの気持ちがわからなくなった。あいつが俺から離れ始めていることには気付いていたが、その頃の俺は死神代行になったばかりで余裕がなかったしまたすぐに戻って来るだろうと特別何かしようとは思わなかった。
そうしているうちにあいつと話す回数は確実に減っていった。
その頃には俺は死神業にも少し慣れてきて俺の近くにいたら巻き込む可能性も高く危険だということもわかった。だから俺からもあいつから離れるようにした。あいつだけは絶対に危険なめにあわせたくなかったんだ。
でもわかったんだ、
離れることで守れるわけじゃない。守りたいなら強くなって傍で守るべきだってこと。
それからなんで俺があいつのこと、名前のことこんなにも守りたいのかってこと。
名前のことが好きなんだ。
でも気付いたところで遅かった。気付いた頃にはこんなにも壁が厚くなっていて、傍で守りたいと思う俺をあいつの傍へ行かしてはくれなかった。
「好きだ。守りたいんだ」
口に出すのはこんなにも簡単なのに、この言葉は壁のむこうへは届いてくれない。
壁を壊したい