紅花の咲く景色 | ナノ
自業自得


青学の迷惑極まりないマネージャーが、悪事を暴かれて辞めさせられた。その知らせは立海にも届いたのだが、何故か満を逆恨みしているとも聞いた。
当然、3年レギュラーは胃を押さえたり、頭を抱えたりしている。
また面倒な事を。と意見が一致していた。

「バカはバカなりに、バカな悩み抱えるとは思うよ?これは無いよ。間接的に俺達弱らせたいのかな?」

「幸村、バカをバカにしては気の毒だ。ただ、長期化した場合柳生とジャッカルの胃が持たない確率が79%だ。」

「幸村君も柳も失礼だろ。超迷惑だけど。」

溜め息の止まらない3年レギュラー。
放って置けばただのバカップルなのだが、トラブルを呼びやすい。その2人はそんな事も知らないまま、保健室でイチャイチャしている。

「柳生はハゲの危機にもあるじゃろ。」

「この年でハゲたくありません!仁王君も同じでしょう!?」

満は格下の敵を、猫が遊ぶように痛めつける。本気の真剣勝負になる確率は、限りなく低い。
解っているのだが、怖いものはどう言い換えても怖いのだ。無表情の満が、どれだけのインパクトを残しているか、見た者にしか解らない。

「ジャッカルは無縁だね。真田は逆ギレしそう。」

「現行犯ならば警察に突き出して解決する。心頭滅却して俺達は大会に集中すべきだ。」

それが出来ないから悩んでんだよ!と唱和した。
帰りに、待ち伏せをされたら満の万年筆が間違い無く光るだろう。そして、赤也はまだ部室掃除当番が続いているのだ。
立海のイメージ云々ではなく、精神的に辛いものが多々ある。青学、つまり都内から遥々、逆恨みを晴らしに来ない保証は無いのだ。

「一番はさっさと捕まればいいけど、赤城ってたまに晩飯の材料買いに行くって聞いたぞ。真田んちが一番近いけど…なんか不自然に見えそうだ。」

「ジャッカルの言う通りだな。丸井の今月のお小遣いは残り少ない。更に方向が逆だ。誰が適任か、考えなければならないな。」

「ゴメン…。残り365円しか無い。」

白状してしまう丸井。
逼迫した状況に置かれたくは無いが、最悪の事態は避けなければならない。ゲーセンで痛いほど理解している。
お菓子類の安売りは少ない事と、新発売系はコンビニが早い事を考えると、丸井がいるのは不自然だ。

「早めに手を打たなければ赤城さんか切原君が早まった事をしそうです。」

「今日から警戒せねばならんな。隠し事はいかんが、早まる赤城にも赤也にも言えん。」

頭痛が痛い、とジャッカルは頭を押さえた。

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