紅花の咲く景色 | ナノ
君に捧げる赤
赤也の惚気。
俺が大好きな彼女、満は…明るくて素直な、変態。エロい意味じゃなくて、本物ってあれだって。
一目惚れした時、近道使って、スポーツショップから家に帰ろうとしてた俺は見た。おとなしめの優等生っぽい女の子が、囲んでた4人の兄ちゃん達をすり抜けた。なんか光った、それしか見えなかった早業。
兄ちゃん達が満を振り返った途端、マンガみたいな事になってた。いつの間にか満は赤くなったナイフを持ってナイフを眺めて笑ってた。
「皮肉なものよね、みんな綺麗な色だし。ねぇお兄さん達。警察呼んでいい?聞こえてない?」
スゴい、鳥肌が立つぐらいの笑顔。怖いのに目が離せなくて笑顔のまま、満は俺を見た。
兄ちゃん達は傷を押さえて声も出ないみてぇだったけど。俺は満しか見てなかった。
「珍しい見物客ね。普通叫んで逃げるのがセオリーなのに…あ、テニス部の切原君か。はじめまして。入学式挨拶をした赤城満です。顔と名前ぐらいは覚えてくれたら嬉しいな。」
ナイフの血を舐めて悪戯っぽく笑う満は、もう怖くなかった。その後は満に言われて帰った。コレが最初。保健委員で、金曜日は昼休みに手当てしてるって聞いた時は、行こうか止めようか悩んだ。あの笑顔がもう一回見たくて。悩んでたら昼休み終わってる事が多かった一年生。
満がストーカー撃退で有名になった時は、もうビビられてた気がする。何回か練習も見に来てたけど、やっぱり顔しか見ないのかなーって思ってたら俺の名前と赤目になった時のプレイが好きだって言ってた。別の意味で泣きたくなった。
顔の方が良かったような悪かったような。結局俺の性格見てないじゃんか!同じクラスになった時は、そりゃ嬉しかった。
満はずっと学年首席、変態じゃなきゃモテたと思う。明るい真面目な優等生なんだし。
特別優しいとか無くて、変態なの忘れそうなぐらいだった。だからかな、進級して一週間ぐらいで当たって砕けろって仁王先輩に言われて。
朝っぱらに教室入って即告った。結果は今の通り、満大好きだけど。冗談で仁王先輩が言ったのを、真に受けたのが良かったのか?
「ま、結果オーライだよな。」
「赤也。オーライって何の略か解ってる?」
英語の厳しい先生。真田副部長より優しいけどカタカナになると英語の場合問題出される。
「え。ガソリンスタンドとか野球とかで使うよな?日本語じゃねぇの?」
「宜しい、承知したと訳すの。日本語の使い方と英語じゃ違うんだから中途半端に使わない。」
何だかんだで、やっぱり満は俺の大好きな彼女。
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