紅花の咲く景色 | ナノ
朱と戯れるか


食事は元々学校別だったが氷帝と立海は隙を見て、口裏を合わせていた。

「真田先輩、王手です。」

「む…本当に赤城は強いのだな。」

「言っただろう。ところで跡部、何かあったのか?こちらは打てる手を打つ事にしたぞ。」

立海は食後、談笑や満持参の将棋に興じる。満の背中にはべったり赤也が張り付いている。

「あぁ、あの雌猫が俺達と青学に馬鹿げた事ぬかしたぜ。赤城が無視しやがるだとよ。」

「無視ぃ?赤城がするワケねぇだろ。律儀に呼び出し行くんだし。」

「浅はかな事を…こちらは必死で青学から赤城さんを引き離しているのに。私も丸井君と同意見です。」

深々と溜め息を吐く一同。心労が余計に増えた原因は青学にあるのだ。いっそ呼ばずに交代制にした方が遥かにマシだった。

「だろうな。紙切れ一枚でペン真っ二つにする赤城を敵に回すなんて知らねえだろうが馬鹿げてる。で、俺様に一つ考えがある。あの雌猫に対して、俺達が赤城を過保護に扱えば尻尾出して強制で帰せるだろ。実際俺達は赤城に全面的に頼る事になる。万年筆を使われる前に追い出したい。」

「跡部さん、一つ問題があります。あの方が抱き込んでいる青学の方々に攻撃された場合、私は反撃する権利と反射で体術かペンを使います。」

「予測済みだ。あっちで血の気が多いのは桃城と不二と菊丸と海堂と越前とか言うチビだ。逆を返せば、こいつらを露骨に警戒すれば後の連中は絶対に手出し出来ない。」

自信たっぷりに言い切る跡部。伊達に200人を越える部員の頂点に立つ訳ではない。観察眼は相当なものだ。

「俺達もそれは構わない。ただ、赤城さんに危険が及んだ時、誰が戦力になるのかな?それと赤城さんは腕を押さえれば平気?」

「靴には仕込んでいませんが、体術も使えます。関節技のみです。」

「ウチは舌先三寸の場合俺様と忍足、力なら日吉と樺地と宍戸だ。危機管理は滝が上手い。甘やかさせて貰うぜ?赤城。」

「私はともかく、赤也。浮気したら解ってるわね?私は好きで甘やかされるワケじゃないの。」

「うん…。帰ったら遊びに行きたい。」

「そこの物騒な夫婦はほっときんしゃい。跡部、こっちが尻尾出さんよう、おんしんとこの連中にも言うとけ。」

「あぁ。完全に戦力外も居るが、こっちはこっちで赤城を利用する。」

イチャイチャし始めたバカップルを放置して、跡部と三年レギュラーは策謀を別に巡らせた。勿論、柳と仁王は平行させるつもりだ。それだけ、青学マネージャーが鬱陶しい。

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