粗品 | ナノ
笑え笑うがいいそれが四天宝寺


夏野様に捧げます。



「夏野ちゃぁぁん!桜花賞の予想手伝ってくれんか!?」

はい、私夏野要。中学一年にして早々に渡邊先生…もといオサムちゃんのアドバイザーやっとります。競馬の。

「夏野、オサムちゃんと仲ええんか。」

「あ、まぁ。そう言えば白石君テニス部やったね。オサムちゃん、クラシックはアホのやる博打や!新馬戦は論外!せめて菊花賞、秋華賞!!春天まで我慢出来んのかボケ!」

「桜花賞は阪神やん!」

「レースは午後じゃボケ!GTの常識や!」

「なして中学生の夏野が競馬語っとんねんボケ!」

あ、あかん。つい頭に血が上ってしもた。
ちなみに、私が競馬知ってるのはオトンが元ジョッキーって馬乗る仕事の学校通っとったからや。

「やから夏野ちゃんに頼んどんねん!勝ちたいんやこれだけは!」

「オサムちゃんも中学生に競馬聞くなぁぁぁ!新聞持ってくんな!」

「単勝か馬連か枠番か連単かで全然違うわ!どーせ大穴一点買い狙うんや!」

「今回はちゃう、三連単一点買いや!」

「「アホかぁぁぁぁ!!」」

だいぶかなり違う意味で、白石君と私はシンクロしてもうた。しかし、三連単一点買い…当たれば棚ぼたやけどなぁ。ギャンブルやぞ競馬は。

「えーっと?あ、ミニングアイズが去年の冬勝ちまくっとんな。これ一番人気やろ?」

「夏野ー!!学校で競馬新聞開くなおっさんクサすぎやぞ!?」

「コレに赤鉛筆耳に挟んでラジオ装備が昔の競馬好きの正装や白石。」

「誰も聞いてへん!なんやその正装!」

「オサムちゃん、やっぱパドック見んと何とも言えんわ。クラシックやし。」

パドック、馬がこんな感じに仕上がってます、と見せびらかして予想させるんやな。体重とか、毛艶とかあんねん。

「やっぱか。よっしゃ、夏野ちゃん、日曜はオサムちゃんと競馬デー」

「アホかぁぁぁぁ!!未成年博打に連れて行くな!非常識やぞ!!」

「白石君、私昔からよぉ競馬場連れてかれて馬の見方習ったで?」

「そういう問題やないやろ!」

「やったら!オサムちゃんが勝ったら白石に何か買うたる!約束や!」

オサムちゃんと桜花賞を見に行った。三連単当てたんや、うちが。んで白石君は包帯巻くようになった。
…白石君がやたら絡むようになったんは、うちへの嫌がらせやった。
泣くぞゴルァァァァ!!

※学生生徒、未成年者は勝ち馬投票券の購入は法で罰せられます。

予想は出来んねん。

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