家宝 | ナノ
ついてない日は


夏野様から頂きました、救済策。

ジャッカル夢


ついてない日は

朝、いっつも見てるニュースの血液型占いが最下位だった。
登校中買ったティーン向け雑誌の十二星座占いも最下位だった。
通学路でガムを2回踏んだ。

校門前で服装検査があった。甘めに付けてくれるから柳生がよかったのに真田だった。ねーよ!

ホームルームが始まり、いきなり抜き打ちテスト。しかも数学。聞いてねーよ!
それが抜き打ちなんだぞ?って柳に小ばかにしたような笑いかたされた。むかつく。

一時間目古典。寝ぼけてたのに指されるわ読まされるわ噛みまくるわ…。穴があったら入りたかった。
二時間目英語。この前の小テストが帰ってきた。2点だった。

3・4時間目体育。跳び箱でずっこけて顔面着地したり腕が内出血起こしたり。痛かった。
昼休み。担任に呼び出されガミガミ説教され、三十分間こってり絞られお腹もペコペコに教室に帰ったらお弁当を家に置いて来ていた。…今から購買部行っても確実に何も無い。みっちゃんとあさひにちょっとずつ分けてもらった。涙の味がした。
5・6時間目。家庭科の実習でエプロン作り。裁断でだ〜いぶ斜めった。アップリケの縫い付けの時に針が指に突き刺さった…いや何で?

放課後。英語の担当の先生に呼び出されて英語で怒られた。これなんてイジメ?でも向こうの方でイワムラに怒られてる切原くんが泣きそうな顔してるのを発見したから耐えることにした。向こうのが悲惨だもの。

帰宅途中。土砂降りが降り出して折りたたみを持っていた私は珍しくツイテルと思ったのもつかの間。猛スピードで走っていった車に水しぶきぶっ掛けられ制服がどろんどろんに。

さっすがに…泣けてくるよ。
「……ぃ」
泣いちゃおうかな〜雨降ってるしわかんないかな?
「…おいっ!」
「ふぇっ!?」
「大丈夫か?さっきの車酷かったな…って制服!ひっでーなこれ。…タオル持ってるか?」
「えと…あ、ハンドタオルだけしか」
「だよな…ちょっと待ってろ」
え?…じゃ…ジャジャジャッカルくん!?
うっそ…ホンモノだよ…顔赤くないかな?

「ほれっ」
「うぷっ!…これって…?」
「あー…まだ使ってねーけどよ。汗臭かったりしねーか?」
「ぜっ…全然!!」
「そっか。ならよかった。早く拭かねーと風邪ひくぞ?清水。」
渡してくれたのはイエローのスポーツタオル。これ、部活で愛用してる奴じゃないか…!
「てか…あれ?何で名前…?」
クラスも委員会も一緒になったこと無い確定的なこちらの一方通行なのに。
「え!?や…その…ほら、あれだ!気にすんな!つか早く帰れ!マジで風邪ひいちまうぞ!!」
「え?あ…そうだね!そうするっ!あのっ!タオルどうしようか?」
「あー…そんなボロっちいので悪いな!捨ててやってくれてもかまわねーからな?」
「絶対にそんなことしないから!御礼つけて返しに行くからね!」
「いやっ…!いいってそんな!悪いし!」
「やらせてくださいっ!嬉しかったから!」
「……そっか。じゃあ、任せた。…それじゃ清水、気をつけて帰れよ?」
「うんっジャッカルくんもね!」

交差点でお互いにバイバイして別れて、家に向かって歩き出す。
…あ、いっこ忘れてた。
「ジャッカルくーーーーん!!」
「!?」
よっし!振り返ってくれた!
「タオル、ありがとーーーーー!嬉しかったよーー!」
「!!おおー!」
お礼、言ってなかったからね。言えて良かった。

にやけて真っ赤な顔を隠すためにタオルに顔をうずめて帰った
濡れたイエローから優しいジャッカル君の匂いがした


最後にきっと良い事が待ってるのね

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