ハロウィン企画 | ナノ
言い出しっぺ
うちらもうちらで楽しもうと、牌を混ぜてたら携帯着信。…今回の壮大にも程がある大掛かりな詐欺を企てた、あの人だ。
「あ、蓮ちゃん?後2人行くから待っててね。」
「了解。待ってます。」
あの人の事だ、今頃しかめっ面で準備してるに違いない。寧ろ出来上がりが怖いのはうちだけやろか。
「浅野ちゃん、リャオ総帥から連絡?」
「当たり。そろそろまた来るって。」
日和の目が笑ってない。まぁ…ここでの通称、総帥から色々やられてんもんなぁ…。
「浅野さんお待たせー!うちらが最後だがね?」
ふわふわとした髪型に、男か女かも判らないファッションの人と、ここに来るのが心底嫌そうな顔の男が2人、やって来た。どういう共通点があるのだろう。
ばちり、と目が合うと可愛らしい笑顔でまくし立てられた。
「はじめましてー。うちはあけぼの。あっちゃんでええよ。おみゃーさんは何てぇの?」
「…おみゃーさん?」
「あけぼの、しゃべり好きにも大概にしろ。お前は、と聞いている。」
しかめっ面の男が訳してくれた。どこの言葉だ?
「弦だ。お前は?」
「雲海、だ。」
冷ややかな目で俺をみる雲海。そこまで嫌なら断らなかったのか?
「あけぼの、後は総帥待ちだから悪いけどお茶とか適当に飲んでて。」
「はいよ。マスターの激甘コーヒー、うち好っきゃねん。」
「お前だけだ。」
賑やかな人だ。しかし、総帥とは…?
「弦さんの番だ。」
「あ、あぁ。」
また麻雀を忘れかけた。凄まじいな、このメンツは。面前まで後一つ!リーチは止めておこう。
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