ハロウィン企画 | ナノ
禁忌の宴



絢爛豪華な玉座に座り四方を見る四天王。表向きには頂点が居ない、それが逆に安定をもたらす。

「総帥ったらさぁ…カラスを飛ばしたのもバレバレなら教えてよねー。」

「あら、サプライズイベントはお嫌い?」

大将の部屋、としか言われない奥の間。
極上のインテリアに、仄かに香る清冽な花々を生けた花瓶に目を向けながら、神の姫はしっかりと頷いた。しかし、急いで連絡した蓮は食い下がりたくもなる。

「それに関しては藤、クリスからも連絡を回したでしょ?」

「連絡係が遅かったらカラスは使うもーん。」

「そればかりは私に言われてもどうしようも無いわ。私から行けば騒ぎにしかならないもの。」

長い金髪を指先で遊びながら、リャオは青い瞳を神の姫へ向けた。蓮もまた、笑いながら肯定する。

「リャオはどこに居てもすぐ解るからね。神の姫には悪いけどこれは仕方無いって。」

「私も目立つじゃん。当日は正装、だけど仮面は装着って正直難しくない?」

「問題は無くってよ。何せ多国籍ですもの、無礼講と銘打ったわ。」

更に裏では莫大な金が動く一大事。設備やサービスも一流である事にこだわってこそ、世界進出にまで至るカジノに成長した。

「…何人か不安はあるよね。」

三人の脳裏に、恐ろしい想像が過ぎった。

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