赤2人と理系 | ナノ
テラー?フィアー?



言わんこっちゃない。と言いたそうにしながら、満は鈴を宥めて、長年の付き合いから鈴を泣き止ませる事に成功した。

「鈴先輩、先輩方は全く怖くないですよ〜?いざという時はお母さんに頼めばいい」

「頼むな満!怖いから!」

赤也の悲痛な叫びに、また鈴の目が潤む。

「満ちゃん…怖いですあの人!」

「彼氏の赤也ですから。怖くないです。明日お弁当作ってあげますから。」

短絡的な餌付けの基礎だがそれで鈴は笑顔になってしまう。血は争えない素直さだ。

「それにしても、香奈絡みとは厄介ナリ。赤城に香奈に浅野じゃろ。赤城は何もせんと何も無いんじゃがなぁ…。」

運ばれていく柳を眺めながら、関わりたくないと全身でアピールする仁王。爆弾が増えたのだ。

「鈴先輩も怖がらせなければ平気ですよ?素晴らしいまでに弱気ですが。」

「満ちゃん怖くないですもん。」

「満…知らないのか?」

「鈴先輩、父方の親戚だからね。母方は沈黙を美徳とするし?」

知らない方が幸せな事。香奈の研究内容や、満の万年筆の威力と生い立ち。
清楚可憐な2人の立海生は中身が怖すぎる、と緊張が走った。

「赤城さん、もうすぐ合宿があるのは聞いたよね?あれに香奈も必ず来るから浅野さんマネージャーに出来ないかな?」

「部長ぉぉおお!?香奈先輩一匹でも大変なのに浅野先輩も!?」

さり気なく満は、無害だとフィルター加工された赤也の視点。

「日常生活でもスプーンを折る人ですが?更に言えば格闘技好きですよ?」

一時期有名になったスプーン曲げ。しかし、鈴は片手で折るのだ。
教室の備品も全て破壊可能な、凄まじいスラッガー(ハードパンチャー)なのである。

「お互いに知り合う事は理解への一歩だから。」

それすらままならない香奈を知っているだけに、幸村のありがちな言葉はやたらと重かった。

「鈴先輩、幸村先輩は誘ってくれてますけど、どうします?」

「満ちゃんも、います?」

「はい。私は救護要員で正確にはテニス部に所属していませんが。」

満の怪我しないかなー?と言わんばかりのプレッシャーと、鈴を如何に泣かせないかに心血を注がなければならない。

「怖くないですか?」

「…真田先輩、柳先輩辺りは鈴先輩から見た場合怖いかもしれませんが、私は怖くないですよ。」

そりゃお前がその上を行く立海の支配者クラスに怖いからだ。とその場に残ったメンバーは内心呟く。
幸村はにこにこと笑っていて、まるで微笑ましく見守っているように見えるが…立海で二番目に怖い人扱いなのである。

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