ゴジラの子供達 | ナノ
手塚家の休日



「おはよーお母さん!」

「…まだ5時何だけどさすがのみっちゃんでも寝てるだろ。引退したし。」

俺の朝は、寝起き抜群の由によるフライングボディアタックから毎回始まる。痛くないけど。
あ、みっちゃんもうるささに起きた。…かっちゃんも起きるな、これ。

「んじゃ朝飯作るからみっちゃんとひとっ走りして来い。駆けっこでみっちゃんに勝ったら好きなもん作ってやるぜ?」

「お父さん!いざじんじょーにしょーぶっ!」

頼むから人の腹の上で仁王立ちすんな。殴り飛ばしたくなるから。
つーか意味解ってないだろ?曾祖父さんズとサナゲン用語だけど。相変わらずピンピンしてっからなぁ。

「はぁ…。解ったからお母さんから降りなさい。危ないから止めなさいと言ってるだろう。」

命に関わるので危ないですからってかオイ。四桁ぐらい病院送りにしたかも知んねえけど、娘を半殺しにはしねえぞ?とみっちゃんをジト目で見てたら由が飛び降りてジャージに着替えだした。
…我が娘ながら似てねえなぁ。

「ふぁー。みっちゃん今日はどこ走る?」

「公園方面に約40分だな。そもそも、俺に手を抜けと言いたいのか。」

「目標はでかくあるべきだろ?手を抜くか抜かないかはみっちゃん次第。」

ひらひらと追い払って、由とみっちゃんはランニングの旅。…今まで一度も手抜きしてねぇのにな。テニスも由がマジ泣きするまで負かしてたし。

「お、お母さん、ただ、いま。」

「お帰り。そのままみっちゃんと風呂。」

あ、前言撤回。似てる。意地で歩いてるから。…共通点だなコレ。
で、あやちゃんと俺の朝飯を全員で食うのが日課。

「レイナから連絡が無いから、多分ひよこんちのチビと約束だな。」

「お母さん、本当に何でも知ってるね。」

「…ゴメンみっちゃん。」

昔の癖でつい。大体みっちゃんも解るだろ!?無我やるんだから!

「なら由、曾祖父ちゃんと遊ぶか?」

「投げるのやりたい!」

俺のせいじゃない。投げるのって自販機でも冷蔵庫でもない、柔道だから。

「由がもう少し大きくなったら山登りに行く約束はしましたからねぇ。お爺ちゃんは出番無し。」

「はるるん、まさか真冬の八甲田山とか?」

「遼じゃあるまいし、そんな非常識な時期に登るものか。」

釣りと山登り計画してる口がよく言うぜ。俺式関東ご案内ツアーは大反対しやがったのに。

「お婆ちゃんは早く一緒にご飯作りたいわ。勿論3人でね。」

「…刃物ならサナゲンちで見てる筈だぜ。」

柔道の話を低レベルに落として言い聞かせるかっちゃん。夢は広がるな。なまじ怪力なだけに。

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