ゴジラの子供達 | ナノ
見えない十三階段
けごたん他氷帝の連中は高飛びを企画してやがる。だが、俺を舐めてんな。未だにお偉方からビビられる元情報屋、更にオヤジから押し付けられたマンション管理者だぜ?
「ぴっぽっぺっと。よし、押さえた。」
脅しじゃねぇからな。れっきとした取引だ。オトナの汚い事情はスルーしてくれよ。
「レイナ、もっと飛ばせるか?」
「130までやな。」
「上等だ。高速乗るぜ。」
運転中だからかなりデカい声だが、このマシンは俺しか国内じゃ乗らないプレミア品だ。サツも手出しはしねぇ。…足洗ったつもりなのに生かせる俺がちょっと悲しい。
「八番ゲートに目撃情報アリだからな、飛ばすぞ!ついてこれる範囲で来いよ!?」
「当たり前や!」
アメリカに逃げる気らしいが。俺のオヤジがアメリカ在住なの解ってんのかあいつら。あんな目立つ連中、オヤジからチクリが入るに決まってんだろ。俺に情報屋稼業教えてくれたのはオヤジだぜ?
「…ふぅ。レイナ、大丈夫か?」
「何とかな。遼、髪の毛バサバサや。」
「気にすんな。昔っぽくて分かり易いだろ?」
ヘルメットを取り、ずんずんと空港内を闊歩する俺とレイナ。
自然現象として、人が逃げまくる。由がかなりの和みアイテム扱いだったんだと実感。それも十歳が限界だろうな。
「みぃつけた。」
「げ、遼に蓮…!?」
天誅&みっちゃん達の大説教、とくと味わえ。
顔面蒼白の氷帝、そう簡単に拝めねぇし?楽しませてもらうからな。
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