ゴジラの子供達 | ナノ
夢と希望を



幼稚園に迎えに来る母親の中に、妊婦が三人いるのは知ってる。1人が、臨月間近で腹がでかいのを由が見たらしい。

「ねぇお母さん。赤ちゃんってどこから来るの?」

「あ?腹から」

「遼!…ゴホン、由。神様にお父さんとお母さんがお願いして、由はお母さんのお腹に来たんだ。」

みっちゃん…それすげぇ苦しい言い訳なんだけど。無神論者だから。
あ、雪桜と天空も目をキラキラさせてやがる。…口元生クリームだらけだけど。

「雪桜、天空。こちらを向かんか。」

サナゲンが超甲斐甲斐しく拭ってやってる。…あかやんが見たらクラッとなりそうだよな。

「なぁレイナ。どう説明してやるべき?」

「自然と出来るでええんやない?」

不自然な出来方って何なんだ。コーヒー片手に顔を見合わせてしまった。
俺もそうだけど、ガキってのは変な方向に知恵がつくからなぁ…。この際一部始終を語って…みっちゃんとサナゲンに説教されそ。

「パパとママも神様にお願いしたの?」

雪桜のピュアな視線に、口ごもってるサナゲン。できちゃった婚だからやましさ全開だし。

「勿論真田もそうだ。男の子と女の子が欲しいと神様が叶えてくれた。」

…フォロー上手くなったな…みっちゃん。

「由ちゃんのママは女の子を下さいって?」

「いや別に」

「俺が神様にお願いしたんだ。」

余計な事を言うな、と背中が語ってやがる。いや、だってそこまで子供欲しいとか思わなかったから。みっちゃん確信犯。

「じゃあ、雪桜が神様にお願いしたら赤ちゃんが来るの?」

「弦しだ」

「雪桜の赤ちゃんはまだ来ないな。お嫁さんにならないと神様はお願いを叶えてくれないぞ。」

お嫁さんにすらしてねぇ状況で孕ませたサナゲン、白々し過ぎだ。レイナもまだ産む気があんのか?あの禁酒と運動制限の地獄プラス悪阻と関節痛に耐えて。

「天空はー?」

「まずはお嫁さんを貰わないといけないな。」

「ねぇ由ちゃん、赤ちゃん欲しいから天空のお嫁さんになってくれる?」

「うん!赤ちゃん俺も欲しい!」

まぁ、微笑ましくはあるんだけど…。みっちゃんとサナゲンが睨み合ってんぞ。雪桜はいじけそうだし。

「由ちゃんは雪桜のお嫁さん!」

「ぼくの!」

「…何かさ、一昔前の俺ら思い出すな。」

「あー、うちが遼の恋人疑惑持たれて弦が嫉妬しとったな。アレ一歩間違えればとんでもない事やし。」

女の子にモテた悲しい学生時代…。みっちゃんと歩けば普通に友達か?とか言われたし。
みっちゃんは結構忠告されてたな。人生長いんだから投げるな、とか。

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