ゴジラの子供達 | ナノ
夏休みですから
由に、みっちゃんは沖縄の人とテニスした事あるんだぜ、と言った。
「お母さん!沖縄行ける!?俺行きたい!」
「…俺はいいけど、道分かんねえぞ?関東じゃねぇんだから。」
一応、アングラ連中とは深く関わらせない方針で育ててるし、みっちゃんが嫌がるからな。
地図は簡単に手に入るけど観光地だし。暑いし。
「由、俺と言うな。沖縄か…盆休みにでも行くか。由は山ぐらいしか連れて行かないからな。」
…みっちゃん。何だかんだでかなり甘いんだけど。大それたワガママ言わねえしな。
「んじゃそうすっか。レイナも誘おう。チビ達海に放り込んで遊びたい。」
「遼がそんな口調だから、由もかなり影響されているだろう。俺も毎回注意はしているぞ。」
いや、二人して俺が一人称だから無茶だ。ま、そういう訳でいざ沖縄!
「…解ってたけど。やっぱあちぃ。」
「遼、ホンマ暑いのダメなんやなぁ。都内と気温変わらんのに。」
ダメージジーンズに、涼しさを重視した格好だけど。暑さは俺の天敵。
髪の毛切るかな。
「お母さん早くー!」
「へいへい。元気だなチビ達は。」
…毎度の事ながら、ミステリーサークル完成。俺、みっちゃん、サナゲン、レイナ。…どんな組み合わせに見えんだよ。
「手塚。この派手な装飾のホテルは…。」
「跡部の系列だ。遼が手回ししたらしい。」
白亜のホテル、海も見えて飯もご当地メニューから本格フレンチまで各種取り揃えています。が売り。ただデザインがモロ西洋風なのと値段が玉に瑕。
安くしてくれたんだから文句言うなよ公務員。
「荷物置いたら、早速海!遼も水着やで!」
「え。俺体型変わってから買ってねえ。」
海水浴とか久しぶりすぎ。プールは大石が構って由に教えてたし。
必要だったのか?と思ったらけごたん水着コーナーまで置いてある用意周到さ。…すっかり商売人になっちまって。有り難いけど。適当に選んで、海に行く。
「…こらまた懐かしい面を拝んだな。」
「…佐々木、遼クン…?」
「旧姓やったらな。今は手塚やもん。髪の毛伸ばしてスタイルよぉなっても、遼は見間違い無理や。」
木手えー率いる比嘉中、ダークホースでみっちゃん達にベコボコに負かされた懐かしい中学時代。
「お母さん?このおじさんもお友達?」
「そうだな、昔のお友達だな。」
「お母さん…?」
「やーがあんまー!?男だばぁ!?」
ゴメン、名前わかんないサナゲンに暴言言った勇者。俺は男とは一言も言ってなかったハズだぞ。
「由、俺は久しぶりに会ったお友達とちょっと話があるから、お父さんと泳いでいいぜ。」
「うん!お父さーん!」
さて、どこから説明すりゃいいんだ?
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