ゴジラの子供達 | ナノ
破壊神再臨
「みっちゃん?居場所掴んだから。機動隊八王子の某住宅街に配備。ついでに煙幕と催涙ガス対策させとけよ。あ?日本一有名なヤー公の大親分。ご隠居がくれた。付き合い長いからな、大親分とは。」
遼は引き続き、別の男へと連絡をした。
「よぉ、久しぶりだな。グラディウス爺さん、あんたの腕を借りたい。俺の愛娘とダチの子供が誘拐されてんだ。報酬は各自相談に応じるぜ。手駒で有望株はまだ育ててるだろ?」
グラディウス、怪盗とかつて名を馳せた老翁。れっきとした日本人だが、名は敢えて呼ばない。
レイナは髪型を整え、ワザと洗い晒しの服を着て目薬を射すと重々しくカメラの前に姿を見せていた。
「レイナ、誰を連れてきても言うなよ。アングラの掟は不文律だからな。」
「解っとるわ。」
「なら、良し。おぅ、龍の子か。お前んとこの一番丈夫な武器、貸せ。緊急事態だからな、手は選ばねえよ。般若にも当たるぜ。」
数々のヤクザ達に、仁義を介さぬ愚か者の末路を遼は淡々と語る。
その目は鋼に輝き、威圧感は全盛期そのままだ。
子供達を誘拐された際に被害者が出ているのだ。遼の逆鱗に触れない筈が無い。会見を終え、早くも戦闘態勢に入るレイナは世間的に見れば我が子を誘拐された力無い母。
「レイナ。二時間後に八王子に行くぞ。壮観だぜ?十年前のアングラを飾ったヤクザと機動隊が大集合。ついでに怪盗だの犯罪者のパーティーだ。」
獅子のたてがみを彷彿とさせる髪、荒々しくも美しいその顔は関東最強だの数々のあだ名を与えられた、佐々木遼の再臨。レイナもまた、あくまでも美しい女性だが荒事を切り抜けてきたアングラでも有名な花。
報道陣の隙を見て、2人は窓から八王子まで駆け抜けたのだ。遼がレイナを抱えているが。
「早かったな、ルーラー。女とは知らなかった。」
「般若、信じなかっただけだろ?例のブツは?」
「あるぜ。こんなもんテメェにだけは貸したくなかったけどな。おい毒島!ルーラーに呼ばれたんだろうがさっさとテメェも出しやがれ!」
毒島と呼ばれた、竜の刺青を入れた組長。遼を憎み、恨むような視線だ。
「機動隊まで駆り出すとはな。ルーラー、お前が人の親になるとは夢にも思わなんだ。」
「物好きな旦那に言ってくれよ。機動隊は旦那の部下だからな、花を持たせてやった。」
「聞いたぜ、おやじに。undergroundの支配者がまさか警官の花嫁とはな。そこの美人はあの頃のお前の女だと思ってたレイナ、だったか。」
グラディウスの跡継ぎが柔和な笑みを浮かべる。
ルーラー、支配者と嫌みを込めて彼らは遼を欲し、負けていった者ばかりだ。しかし今となっては、歯が立たないと付かず離れずに交友関係を築いた智者。
「せや。うちの可愛い子供誘拐しとってタダじゃ済まさへん。」
「ルーラー、攪乱は任せてくれ。ルーラーの名も知らないクズに、我々に今一度ルーラーの戦いを見せてほしい。」
「全員集合は、時間の問題で無理だったからな。俺が黙らせる。出来るだけ、派手にばらまけ。吐き気がするまでな。」
その場にいた、undergroundの面々はその愚か者に合掌したくなった。ルーラーの逆鱗に触れ、怒りを買った者は残らずムショ送りと決まっているからだ。
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