ゴジラの子供達 | ナノ
大乱闘



ある意味、想定内。
レイナより腹が出てない。腹筋やったりしたからか?線が消えてちょっとビール腹みたいに見える。本気で臨月かコレ。

「予定日は2週間後だったな。…名前も決まった。待ち遠しいな。」

「じゃあみっちゃんが代わりに産んでくれよ。鼻からスイカだぞ?」

「無理だ。」

即答してくれやがったこの旦那。逆三行半叩きつけたろか。
…?あれ?気のせいか。
しっかしまぁ、防衛相さんも総理が涙目で言ったのか?あっさり第一師団肉弾戦エリートとは。自衛隊にはお願いだから入らないでって俺に重火器の使い方教えたくないのか?知ってるけど。

「あー、暇。しっかしこの娘も俺のガキなら腹蹴り破って出て来るぐれぇのセンセーショナルな生まれ方してくんねぇかな。」

「ホラー映画か。そんな非常識な生まれ方だけはして欲しくない。」

そもそも俺を非常識呼ばわりしながら嫁にした、みっちゃんらしからぬセリフだな。俺の為だけにドイツ留学諦めてテニスしながら法学部だし。
…?あれ?まただ。
グダグダ話ずっとしてたんだけど。激痛に声が出なくなった。
つか出さない主義。

「遼!?2週間も前だぞ!!母さん、遼を!連絡します!」

育児に疲れたレイナやらは呼ぶな。言ってて良かったな…。常日頃痛みに慣れた俺は存外鈍いらしい。あっという間に分娩室。

「はぁ、はぁ、はぁ、とっとと出やがれクソガキがぁぁぁ!!」

「隊長、三人目気絶しました!」

「これが独裁者の力か…残りは!」

「控えが八名です!」

「お母さん落ち着いて下さい!頭が出て来ましたよ!?」

「力を抜いて下さい!」

出来たら苦労しねぇよ!天丼芸も役に立たねえ!

「足が保ちません!」

「全体重をかけろ!独裁者はその位しなければこちらが保たない!それでも第一師団少尉か!?」

叫び声が飛び交う分娩室で居たたまれない、かつての青学レギュラー達。

「…遼先輩、独裁者ってあだ名あるんすか。」

「他にもある。強烈なのは鋼の薔薇、だそうだ。」

強烈すぎだぞそれ。と半ば現実逃避。

「産まれた!!」

「…疲れた。つか泣いてねぇな。生きてんのか?」

産まれたガキの尻を、医者が軽く叩いたが声を出しても泣かない。…こりゃ期待するぜ?骨のあるガキに育ちそうだ。
みっちゃんが慌てて産湯に向かった。目は開いたが、見えてねぇ。すこぶる目つきの悪い娘。

「遼、お疲れ様。」

「遼ちゃ…ぐすっ。俺も赤ちゃん欲しくなった。」

「それよりも酒!酒飲ませろ!」

「残念ながら、授乳期も飲酒は良くない。」

気絶出来たら、今した。目の前から酒瓶が遠ざかって行った…。

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