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真田怒声目覚ましの合宿その後
まなみ様リクエスト
目覚ましの悪夢
真田へと渡された、香奈特製皇帝真田怒声目覚まし。実に傍迷惑極まりない一品だが、世界にただ一つの完璧な特注品だ。
コネがあるなら金にもなる。
「赤也。渡しておく。」
「要らないッスよ!全力で要らないッス!」
「ちなみに、捨てても無駄だ。こんなブラックボックスにしか見えない物体を怪しまない人はいない。」
傍目からは本当に、無骨な鉄の箱。一体どこからあんな大音響を出せるのか、と聞かれれば穴すら見当たらない箱の四隅から。
手のひらサイズだが、侮ってはいけない。逆らえない赤也は、涙ながらに目覚まし機能のみの箱を持ち帰った。
「…とりあえずタンスに入れとくか。」
ちょっとはマシになるだろうし、何より目立つ。
デザインセンスが全くと言っていいぐらい無い香奈は、効率のみを見て作る。
悪夢は目覚めの時間。香奈が設定した、午前6時に毎朝起きる。
起きんかー!!
「すんません!副部ちょ…何だ目覚ましか。」
「赤也ぁぁぁ!朝っぱらからうるさいわよ!」
タンスに入れた程度で、合宿所中に響き渡る音量は焼け石に水だ。流石に、近所迷惑甚だしい。
香奈はそんな事など微塵も考えていないのだ。香奈の自宅は完全防音。真夜中に機械をいじくり回しても問題ない。
「…捨てたい。切実に。」
朝から親には叱られ、また部活も真田から生の声で叱責される日々。そんなサラリーマンじみた生活でのささやかな癒しは、保健室の変態と名高い最愛の彼女である。
もしかしたら、いやもしかしなくても切って壊してくれるかも!と学校に持ち出した。
「合宿でさ。真田副部長の怒声目覚ましって氷帝の信濃香奈っつー理系バカが作ったのを渡された。」
「コレ、時計には見えないけど?」
教室にて、箱をジロジロと見る彼女は万年筆で大概の物を切れる、と言われている。そこに赤也は賭けた。スッパリ切ってゴミにしてくれ、と。
「目覚まし機能だけ。うるっせーんだ、今朝も母ちゃんに怒鳴られた。正直に言ったのに信じてくんねーしさぁ。」
「普通信じないわね。あら?このボタンは?」
「押すな!」
起きんかー!!
間に合わなかった。クラスメートは耳を塞ぎ、赤也を睨む。彼女には怖くて出来ないからだ。
「…近所迷惑にもなる訳ね。事情は解ったけど、私は切れないわ。鉄板の厚さも解らないし、信濃博士と言えば目覚ましい活躍をされてらっしゃるでしょ?」
赤也の為にあるような逸品を、切れる筈がない。物理的に不可能だし、柳から壊す知恵はやるなとも言われてあるのだ。
金鎚や、水の中に入れるだけと言う原始的かつ、今も尚悩まれている手段はあるのだ。
利くか否かは別として。
完全にギャグテンションで書いたものになりました。私はとても楽しかったです。キャラが不幸っていいな!←
まなみ様リクエスト有難う御座いました!
好き勝手、やりたい遊びたい放題な伊藤ですが今後とも宜しくお願いします!
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