戦国婆娑羅 | ナノ

実を愛で花は見ず


白無垢に角隠し。煌びやかな花嫁衣装を、まさか自分のを見るとは人生何があるか判らない。内々に式みたいな?祝言を上げて。初夜爆睡。
流石に秀吉も仕事はさせてくれなかった。このクソ忙しい時に。
祭りを企画して、お祭り気分な民衆から税を巻き上げ…みんなで楽しもう、ってね。全国に令を出したのは半兵衛さん。

「半兵衛様にも、お見せしとう御座いました。」

行かないって言いそうだけど。実際三成も行かないって言い切ったし。
家康が超ハイテンションで、盛り上がっているようだ。

「茅乃、これがどう強き兵に繋がる。」

「三成様。兵は休まねば使い物になりませぬ。いつまでも気を張りつめていては士気も下がるが必定。飴を少々与えねば。」

ハンパないのよ、あんたらの人使いの荒さ。ただでさえ娯楽が無いのに、祭りはやな奴思い出すから嫌だって、半兵衛説得にかなりの忍耐使ってぶっ倒れたの知ってるでしょ。
ストレスは今も昔もキツいもん。

「下らん。」

「それについては同意見で御座います。」

物流の関係上、大阪以降西は通らなきゃいけない。四国以外は。それを何とかこっちに引きずって、関所で多少稼ぎたいのよ。
消費税関税は私だって知ってるもん。…海外旅行行った友達が語ってくれたから。羨ましいぜ現地価格。

「ならば何故行う。」

「押さえつけてばかりでは国が荒れます。程良く、安全かつ手っ取り早い方法で不満から目をそらす絶好の策です。」

その時だけでも都合良く、忘れてくれるのが国民と言うものなんです。こんな明るい事ばっかやれたら、私は四回も倒れてないよ。

「…私は嫌いだ、ただの誤魔化しではないか。」

「新たな兵を呼ぶには煽ても必要、そちらは私の勤めですから兵を秀吉様に続き育てて下さいませ。」

軍事関係は自力で調べなきゃ大谷は教えてくんないんだもん。嘘八百言いまくってたのは忘れんぞ。
女の恨みはねちっこい。

「当然だ。貴様は半兵衛様の、ひいては秀吉様の補佐をしていたのだから。」

内務省作りたいよ?全国各地の大名の皆様どうやってたんだよ、って。
私の知人にそんなビッグな人間は居ない。地方公務員でも今から呼んでやらせたい。絶対穴だらけだから。ヒステリー起こしたくなると思うよ。
超丼勘定だもん、予算編成が。

「はい、三成様。私はただ秀吉様の御為に豊臣に仕えている道具、お好きなように。」

戦場でも、私はただ生きて帰りたい。平和な、ただ毎日が移りゆく平成に帰りたい一心で人殺しの指示を出した。見えない血が私の手を汚す。
…戻ったとして、どちらも地獄だ。

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