戦国婆娑羅 | ナノ

棘は鋭く


半兵衛様と、秀吉様の命により…時代かかった言い方に慣れてきたな私。
ま、今後私をどう扱うか決めてるんだか決めてないんだか。半兵衛と秀吉の意見が合わないとかそんな裏事情ありそうな状況で、半兵衛んちで仕事してました。
内政って難しいのよ!?企業よりデカいんだから!

「…茅乃君。秀吉様が大阪城に来るようにって。」

「かしこまりました。小早川様はごゆっくりなさって下さい。少々支度が御座いますので。」

どう考えても神経逆なでする天才、小早川秀秋。通称金吾。
コイツの仕事の遅さは私が保証する。何回フォローさせられてこっちが寝不足になった事か!美容の大敵よ!?

「あ、ありがとう。…このお菓子、何?」

「変わった煎餅、と聞いております。私は八つ時には食しませぬ故。」

察しの良い人は解るかもしれない。唐辛子を使ったお煎餅です。あるんだ、と思ったよ。
辛さがやみつきになるとかで結構な売れ行きの茶屋人気商品。高いんだけどね。輸入はやってるから、こっちもそれなりに儲かってんだ。伊予からみかん仕入れて漢方薬にするとか、地道な交易も私の担当で忙しい。

「辛いっ!辛いよ茅乃君〜!!」

「辛い煎餅とは確かに変わっておりますね。茶を持たせますので、ごゆるりとお待ち下さい。」

半兵衛療養開始からずっと、私は内政だけじゃなく外交やら戦術やら叩き込まれてんだからね。

「えっと。こっちが内政関係でこっちが外交、んで兵法書に半兵衛様から譲り受けた書はこちらに。」

女中の女の子達も手伝ってくれます、こういう時だけは。書物だけで笑えない量だし。
私物少なくて良かった。

「茅乃様。こちらの茶器は如何されますか?」

「厳重に取り扱って下されば。」

松永さんが要らんから、みたいな感じで押し付けてきたんだ。今となっては遺品だし。
…ちょっと欠けてるけどそれが良かったとか何とか。よくわかんないわあの人。

「この程度か。明日には出立するから、後は任せます。」

「はい。」

わざわざ小早川を使ったんだ、絶対何か面倒な事が待ってる。秀吉があれこれ作らせたり、三成と家康が破壊しまくって修繕費洒落にならない国庫。
消費税が欲しいと思った。庶民的には大迷惑だけど還元すればいいのです。
…あ。私ポジション半兵衛の小姓な男の子だった。半兵衛の後釜に仕えるのが妥当かな。
女だとばれた場合、いらっしゃいませ18禁な毎日になるかもしんない。あの精神的に血の滲むような隠蔽工作の数々!お互い辛いんだ衆道のフリ!が無に帰す。
そこまでフォローしてくれてるかな半兵衛さんは…。

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