新プリfeurig | ナノ
ゲンノショウコ

コートに立つ鬼と徳川に近づく二人、

「お前たちは…」
「こんにちは、鬼さん徳川さん」
「あの血溜まりの…」
「表現は合ってますね、赤城満です」
「浅野鈴です」

一見はおとなしい彼女だがそれは外見だけだと彼らは知っている。

「見ていたのか?」
「ええ、越前くん達はなぜここに?」
「知らぬ、勝手に喧嘩を売ってきたので買ったまでだ」

満の問いかけに鬼が答える

「そういえば鬼さん達はここで練習に?」
「お前は…一戦願いたい」
「はぁ?」

思わず素っ頓狂な声を上げる鈴、会話の前後がないのは分かるが、

「試合を見ていたがその剛力に興味がある」
「ああ、はい。丁度良く私も戦いたかったですし、いいですよ」
「鈴先輩、私は徳川さんと試合します、いいですか?」
「構わない」

鬼対鈴、徳川対満の戦いが始まった。


「よろしくおねがいします」
「…楽しませてくれ」
「…わかりました、」

かしゃんと言う音がした。
ブレスレットが落ちた音だった。
それは…死の宣告に近いもの。

「行きますね」
「来い!」

サーブは鈴から、だ

「はぁ!」
「こんなボー…!!」

(重い!重すぎて動かん…。)

一瞬で鬼のラケットは吹き飛んだ。
無機質にラケットが落ちた音しか聞こえない

「今のサーブは…」
「15−0」

鈴は容赦無くサーブを打ち込む

「ぐうっ!」
「30−0」

その声はとても低く感じる

「どうか…しましたか?」

鬼の体は動けない、いや動かないのだ。

(体が、麻痺している…)

彼の体が悲鳴を上げる、彼女の力に耐えられないのだ。

「と、とても強い力だな…」
「ありがとうございます、私はこの力は嫌いですけどね」
「…な、ぜ」
「…考えればわかりますよ」

女の子が国家機密にされていたのだ、この前まで。
それを嫌わないのはおかしいだろう

「…まあ、もうその腕では返せませんね、満ちゃんの所に行ってきます」
「…ああ」
「あ、これどうぞ」

彼女が渡したのは湿布だった、

「とても効きますが10分以上貼らないでくださいね、炎症になるほど強力なので」
「ああ、ありがたい」
「失礼します」

そう言って彼女は満の所にいった。

「浅野…鈴」

彼がつぶやいた言葉は風に消された…。

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