ゴミ箱 | ナノ
ゴジラのへそくり?
「それと通帳の金も税金取られるよな。株の配当金入るんだし。」
「遼、何桁?」
蓮の言葉に遼は電卓を叩いて、それはそれは無情な金額をバカ正直に告げた。
「いち、じゅう、ひゃく、せん、万、57億8556万7千円。日本の通帳だけなら。」
通帳を開いてあーだこーだと話す妻二人。蓮は20億を貯金していて、遼と違いその銀行だけである。…それでも筆舌に尽くしがたい金額だ。
「海外に貯金あんの?」
「うん、オヤジがずーっと俺専用で嫁入り直前まで黙って貯めてた。これ、日本円にしたら幾ら?」
「…7300万ドル…?」
旦那二人は、これでもかとばかりに思い切り咽せた。桁がおかしすぎる。
「みっちゃん、痰壷買わせんなよ。」
「円安の時に変えて…どこやったら預かってくれるんやろな。」
「バラバラでも全部大手銀行だからな。これ以上プレッシャー掛けたら頭取が土下座に来そうだ。」
「どんなプレッシャーだ!そもそもいつそんな金を貯めた!?」
「だから、株。レイナは100%な。俺は大学ん時にちょっと実技をやった結果を売った。グレーじゃねぇ真っ白だからな。」
幾らだったっけー?と軽く昔話に突入する妻二人を、旦那二人は茫然と見ている事だけしか出来なかった。今警察官として一生働いても。妻の預金を越えられない悲しい現実。公務員は、副業が出来ない。
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