ゴミ箱 | ナノ

紅花さんで少女漫画王道


とある超進学高校。文武両道を掲げ、センターやインターハイともなれば殺気立つ事で地元では有名な、それ以外は長閑な高校。
その高校で一部の生徒から変態保健委員、と有り難くない異名を頂いた赤城満。だが外面と素行と成績のお陰で、友人関係から医者の一人娘と言うステイタスを見事に駆使した、ハイスペック女子高生である。
そんな彼女へ。飛んで火に入る夏の虫は暴風を伴ってやってきたのだった。

「満、駅前のケーキショップ新作出たって!」

「そうなの?買いに行こうかなぁ…。」

「一緒に行こ?」

「行く行く。」

穏やかに話す満に、聞き慣れない騒ぎ声が聞こえた。ふと友人共々廊下に顔を向けた途端。思い切りドアが開かれた。

「赤城満さんいらっしゃいますかぁー!?」

「…皆さん退避。私は知らない人です。」

学ランにセーラー服が制服であるこの学校で、スーツを着る者は教師や外部の人間だ。
満の声に、友人はすぐさま離れた。この満のとんでもない趣味を知っている、ごく僅かな人。

「早速満ちゃん見っーけ。大和撫子な髪が麗しいねぇ。」

「どちら様です?私にどのようなご用件で?」

あくまで丁寧かつ柔らかな笑みを浮かべ、模範的な優等生として正しいと判断した行動。
整った風貌だがホストのような格好で、お付きの男を引き連れているこれでもかと学校で浮く男にすら、と言う徹底ぶりである。

「用?それはね。お命頂戴しにきた。じゃーん。」

ふざけた台詞と共に、満に突きつけられた銃口。満は不自然さを消した動きで、そっとスカートを抑えながら万年筆を出した。どこから情報が流出したかは知らないが、黙って貰わなければならないのだ。

「あー派手にやりすぎて髪型崩れた?」

「鏡でご確認を。病院のね?」

満の姿が掻き消えた。そう男が認識した時、彼が引き連れた男達が手足を抑えながら呻いた。真っ赤な血を滴らせている。その背後に満が立っていた。

「フッ…ははははは!やっぱり気に入った。貰う事にするぞ、お前の人生。」

高々と銃を掲げ、男は胸元から一輪の赤いバラを差し出し、遠くで微笑む満に差し出しながら跪いた。銃は置いている。

「やっと見つけた、俺の為にだけ生まれた女。結婚してくれ。」

満は眉根を寄せ、野次馬達は歓声や悲鳴など好き勝手に上げている。
ワザとデモンストレーションをして、退き際まで用意してやったのに、と押し付けがましい理論展開をしながら満は男を見下ろした。サングラスを男は外し、その麗しい面を見せつける。

これでもかと少女漫画王道を無理矢理やってみた結果がコレでした←連載絶賛スランプ

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