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身近な物で正当防衛講座2(元拍手)



「皆様こんにちは、身近な物で正当防衛講座の時間です。講師の紅花が咲く景色・螢惑は芥子に眠るの主人公です。本日の生徒は幸村先輩が作られたくじ引きより、運良く当たったこの方々です。宜しくお願い致します。」

「青学三年、副部長の大石です。…逃げてもいいよな…?」

「立海三年、ジャッカル桑原です。逃げられるなら俺もとっくに逃げてる。ムチャクチャ足速いぞ。」

「氷帝三年、宍戸亮です。…俺の瞬間移動より速いのか。」

「短距離校内最速だし、長距離も俺らと一緒に走るからな…。宍戸の瞬間移動は瞬間移動と言わねえ。」

「では本日、テキスト6ページ、行ってきますの挨拶からです。敵に背を向ける事は無防備な急所を晒す事ですから、油断すると食器類が飛んできます。ナイフやフォーク、果てはスプーンの柄まで凶器になりますので、ドアを閉めるまで気を抜かず背中を見せないで下さい。」

「…スプーンが凶器?そんな事…出来るんだな。」

「背中を見せないでって無理だろ?まさか後ろ向きに歩く訳じゃねーよな。」

「勿論、後ろ向きに歩きはしません。あくまでもお互いにその素振りを見せず、日常会話を交わしながら玄関へ歩きます。ですから自然と顔は横向きですね。出掛ける前ですから、カバンは充分厚みを増して重くなります。ランドセルですと心配は首と下半身のみですが、皆様はテニスバッグを常用されていますので方向を変えるだけで身を守れます。刺さった食器類を投げ返し、当たり前のように会話を続けます。」

「出来るか!!どんなデッドオアアライブだよ!」

「桑原、デッドオアアライブって何だ?バンド名にあった気がするけど。」

「宍戸…。生か死か。生きるか死ぬか、だ。英語苦手なんだな。」

「そして玄関に到達し、行ってきますと一言言って二秒以内にドアを開け外に出ます。ここが一番危険ですのでご注意下さい。外に出れば、攻撃は止みます。朝の出勤ラッシュと登校ラッシュですから、見られる事は相手に不利です。カバンを確認し、中身や食器類が刺さっていないかを確認して登校しましょう。本日の身近な物で正当防衛講座は終了です。次回は8ページ、ただいまの挨拶です。危険でデンジャラスなリスキーデイズを送る皆様に、鬼灯色のお化粧を。」

「「「そんな日々送りたくない!!」」」

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