テニプリ短編 | ナノ
大萩小萩
「佐緒里!俺だよ、忘れたのか!?萩之介だよ!」
「え、は、萩之介兄さん!?本当に兄さんなの!?嘘みたい…!」
「嘘なんかじゃない!ずっと探してたんだ!会いたかった…!妹を忘れるなんて俺には出来ない!」
「名字違うじゃん。はい、ありがとうございました〜。」
ショートコント、生き別れの兄弟ネタ。クラスメートの滝萩之介君と私は、多々似ていると言われたのでやってみた。…大喝采浴びてます。
あんな生徒会長にキャーキャー言ってる女子まで。そんなに楽しいんだろうか?いやノリノリでやったんだけど。
「…と、言うわけで今回の勝負は俺の勝ち。ランチセット奢りだからな?」
「うっ…またイーブンなのが悔しい。こないだストップウォッチ最短は勝ったのにー!」
にっこり笑いやがるその綺麗な顔が今は憎い。…あれ?また枝毛。
「大萩、シャンプー変えたのかは知らないけど。枝毛また出来てるよ。屈んで?切るから。」
「そう言う小萩も、ささくれ出来てるから後で左手出してね。」
大萩が滝君。小萩が私。似てるからって、あだ名まで共通点持たせてくれやがりましたよ。
「3本。滝君、理想のシャンプー探し求めて何年目なの?」
「5年経過。はい、三河さんささくれ取れたよ。」
ゴミはゴミ箱へ、と枝毛とささくれを捨てる。華道をやってるから、嫌でも傷むのよね…。
「あ、チャイム。」
「勝負はまだ決まってないからな!」
チャイムが始まる時と、終わる時。どっちがきっちり休み時間なのか?とマイストップウォッチで計測して遊んでる。だって気になるじゃない。
「ふっ…私の勝ちね!ジュレ・ロワイヤルは私のものよ!」
「な、バカな…!?」
「大萩小萩ー。測定はいいから席に着け。」
「はーい。」
最早先生にすら、お笑いの芸名かと思われるニックネームで呼ばれる。授業中は普通だからね。
「三河さん、本当に滝君と仲良しだね…。」
「何だかんだで趣味が似てるからね。本も、得意教科も似てるのは無い話じゃないけど…ここまで息ピッタリは貴重よ。」
「だよねー。もういっそ本当に生き別れの兄弟説推奨したいね、俺。」
どこから湧いてきた。私の友人が唖然としてるじゃないか!
肩に顎乗せないでよ!
「…滝君。君、自分の顔鏡で見た事あるよね?心臓に悪いから密着しないで?冗談だって解るけど君にもファンいるでしょ?」
「疑問形が多いなぁ。可愛い妹に構いたくなる年頃って事で。」
「反抗期じゃないの?鬱陶しいから構うな!って私が言うべき?」
それに滝君は綺麗な笑顔で親指を立てた。
…滝君は、本当によくわからない。ミステリアスってこういう人を言うんだろうか。
滝の日常夢を書いてみました!
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