テニバサ | ナノ


世代も時代も違う


建築を物凄く甘く見てました。すいません日本全国の大工さん。
床とか何も考えて無かったの。ベニヤ板がこの時代にある筈も無く。
…国光と雅治が汗だくになりながら板?を作って若と赤也がひょいひょい運んでる。
床暖房とかコタツとか無いんだ…。

「台風来たらイチコロな丸太小屋だわ…。」

「台風?」

縄編み中の私達。ご飯はもう調達済みだから、こんなにのんびりしてる。台風って、知らないんだ…。

「嵐は分かる?」

「うん。畑が水浸しになって、私達は捨てられたから…。」

質問一言、罪悪感当分。
咲乃達、一体どこからこんな山まで捨てられに歩かされたの?

「蛍姉さんは気にしなくていいんだからね!今は姉さん達と居られて私達楽しいから!」

思いっきり顔が引きつった私に、杏がフォローに入るんだけど。ヘビーな話題だよ?さり気なく通り越して赤也と若と雅治がガン見してきてるよ。

「…私も似たようなものだけどね。そこの3人も手を休めない。国光1人にやらせないんでしょ?」

苦笑しか出来ない。ライブに行こうとしたら原っぱ、なんて普通じゃなくても信じないでしょ。そもそもライブの説明から入らなきゃいけない、気の長い作業。ある意味ライブ会場は戦場だけど通じないから。職場も戦場だけどね。…現代って戦場多くない?

「3人共、明日は必ず鳥を一羽仕留めろ。」

「何でだよ!いつそんなの決めた!?」

「…赤也は寝てたな。」

「だっけ?いや、俺らも言い忘れてた。罰が無きゃつまらないからな。」

サボりのペナルティか。年齢考えたら中高生、すんごくどうでもいい事でバカやって先生に延々と説教されるお年頃。
…私じゃないからね!クラスメートがタバコ吸ってたんだよ!相模原さん素行「は」良かったって言われたけど!

「蛍お姉ちゃん、どうかしたの?」

「え、あ、ううん。小屋、いつ出来上がるかな。」

必殺笑って話を逸らす。社会人ピー年の私は出来て当たり前。
何か楽な言い方あるかなコレ。

「雨風しのげる広い場所は近くに無かったし…。」

「もしも山姥退治とかで山狩りされたら、杏達がどうなるか解らないし。」

高確率で現代なら立派な犯罪の被害者だけど。カレンダーと時計の大事さを噛み締めて、縄編みを晩御飯の準備までやった。
お仕事とマイホーム?とご飯、全部考えてやらなきゃいけないから。コピー取ってお茶出してセクハラの危機に晒されてる現代、楽だわ。とりあえずコンビニで何とかなるもん。お金があれば。

「…余った木でお箸作ろうかな。」

エコです。

- 8 -


[*前] | [次#]
ページ:






メイン
トップへ