テニバサ | ナノ


限り無くただの鉄


水場にて。日本昔話的な刃物を研いでます。
あ、私の短刀ね。
短刀は結構落ちてるし、いい値段(?)で売れるから貯蓄してるんだよ。叩き売りは足下見られるみたい。

「雅治ー、アンタ刃物手入れ終わったの?」

「終わった。蛍姉ちゃん、下手くそだな。」

生まれも育ちも戦国時代な君らより私が上手いのは、多分ワープロと嫌がらせ位だよ。OLでしたから。

「じゃ、若と赤也の槍もお願いね。」

「…何で槍?刀使えないのか?」

「刀の方が高く売れるし何より、使い物にならない方があるから。」

雅治って…一体どこの育ちなの?刀ブンブン振り回せるハイスペック農民っているの?謎だ。
2、3人斬ったら歪んでしまうようなボロい刀から、マニアが泣いて喜ぶらしい逸品まで、戦場はごちゃ混ぜ。そんなの私に解る訳無いし、赤也も若もどうやら相性が悪いのか練習がいるのか。刀が抜けない確率高いのよね。
…私は未だかつて抜いた事ありません。重すぎて。
で、自衛手段として投げれる刺せる切れる、と槍を採用しました。鉄が売れるから、槍は安いのよね。90%木製だから。

「安物か…そんなのでいいのか?」

「へ?短刀?」

「うん。すぐ折れるか蛍姉ちゃんが刺したら抜けなくなる。」

「…良し悪しは解んないけどアンタ何でそんなの解るのよ。」

私の手元にある短刀。最近は捌くか採取にしか使わない。平和な証拠だけどさ、本気で君の出身どこよ?

「習った。国主とか側近とかが使う刃物は、何人斬っても折れない名品らしいから。」

いやそんな雲の上の話されても、入手出来ないでしょうが。

「噂には聞いたなぁ、甲斐の虎が采配で、刀を持った武人を倒すとか。越後の軍神は見えない刀捌きだとか。」

ぶっちゃけ、あり得ねーと言いたい。どんなハイパー采配だとか、見えないって少年漫画かとか。

「有名なのは奥州伊達の竜の爪。薩摩島津の斬馬刀だな。」

「薩摩って…ここギリギリ奥州だよ。」

鹿児島からここまでの距離何キロ!?飛行機と新幹線でも二時間は軽くかかるよね?そこからバスあるのレベルの僻地よ?

「有名なだけ。見た事なんか無い。」

「あったら驚くわ。ただでさえ焼き討ちの影響で、三河とかから逃げる人いるみたいだし。」

聞いた話によると、魔王マジにいるらしい。かの有名な織田信長でした。教科書に載ってたっけ?と思ったんだけど、そんなもんピー年前に習ったから覚えてる訳ないよね。
本能寺の変は覚えてた。イチゴパンツの威力スゴいッスよ先生。
でも歴史滅茶苦茶で何が何やら。年号西暦で誰か教えて下さい。

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