テニバサ | ナノ


ザビー?誰それ。


俺様何様景吾様。な感じの自称宣教師の血を引く景吾から、ちょっと興味を覚えて話を聞いてみた。

「愛ミナギル…だったと思う。それを合い言葉にザビー教ってのがあって布教してたらしい宣教師に祖母が惚れて母さん産んだけど母さんは逃げたんだと。」

…キリスト教はどこへ?そんな宗教知らない。
いや世界には色んな宗教あるんだろうけど、景吾のお婆さんや。日本語ペラペラの宣教師と結婚したの?
あ、祝言だっけ。

「色々ツッコミたいんだけどその宗教結構長くあるみたいね。」

今の中学生位から結婚適齢期で?逆算すると、どれだけ若く見積もってもお婆さん四十代後半。
…若っ!大河もうちょい真面目に観て勉強するべきだった!新撰組でオタクの友人と語り明かしたけど…いや本当に勉強って大切だったな。

「蛍姉ちゃん、ザビー教は止めとけ。母さんが思い出したくないって言うんだから間違いない。」

いや、私宗教ごちゃ混ぜの日本人だから。クリスマスにデートして、除夜の鐘聞きながら紅白観てお正月は神社にお参りしてダラダラしてたから。
これぞ正しい日本人!…ただし現代人に限る。

「聞くだけならタダだから気にしない。」

神父と牧師ってどう違うのか解らないし。仏教も歴史で習ったけど色々ありすぎて、今じゃちっとも覚えてない。

「蛍姉ちゃーん!縄まだ余ってる!?」

「あるよー!何本?」

「あるだけ!」

景吾に話を聞きながら縄編んでました。当然景吾も。働かざる者食うべからず!を爆走してるからね。これがまた上手いんだ景吾。早いし。
私が十年若かったら逆ナンしたね。

「…ねぇ若。私の想像以上に大きい気がするのは何故かしら。」

「習ったやり方で作っただけだ。」

この際女部屋と男部屋分けようかと一瞬思った。ドアの作り方解らないから却下したけど…修学旅行的な雑魚寝決定ね。
女の子の事情は身にしみて解るけど、男の事情は聞いた事しか知らない。…この時代エロ本とか無いし、気にしない方向で行こう。

「また景吾みたいなのが増えるだろうし、蛍姉ちゃん何だかんだで結局居座らせるからな。」

「ごもっともです。」

サバイバル型孤児院、出るのは勝手。…ま、この間赤也と国光が自活出来るし出て行こう、と計画してたらしいが赤也が拒否って頓挫したと話だけは聞いた。
いい事なんて、ここにあるのかなぁ?他を知らないから何とも言えないけど。

「あ、後な。魔王がそこらの村焼き払って逃げ出す奴いるって噂。」

ま、魔王?いやRPGには詳しくないけど戦国時代に魔王っていた?
若!もうちょっと詳しい解説を!と言う前にさっさと縄持って行かれた。…なんか変。

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