テニバサ | ナノ
私が法律とは言わない
ねぐらは基本、昼間でも薄暗いからはっきり言って見にくい。それでも寝てる男の人はモデル顔だとよく判った。石でも投げられたのか、山で転けたのか傷はあるけど。
「誰が連れてきたの?」
「あたしが見つけて国光が引きずって来たのよ。」
ひ、引きずって…?もしかして体の傷は国光が原因じゃ…。いや今はそう言う問題じゃない。
超弩級方向音痴の咲乃とせっかち若が絶対トラブル起こしてるし。…世のあらゆる先生達を心の底から尊敬しよう。
纏められるかこんな子供!!モンスターペアレンツ不在で良かったよ!
「うーん。水ぶっかけたら起きるかしら。」
「蛍姉ちゃん、傷抉ったら起きるんじゃね?」
赤也君。どこでそんなサディスティックなお目覚め方法を…私か。赤也来たばっかりの時に爪立てて起こしたんだっけ。ナイフでグリグリするのは痛いってテレビで見たけど。
「…痛そう。」
雅治、大正解。石を持ってきて、足にどんどん乗せていく江戸時代の拷問案もあるけどどうしよう。
「ん…あ、ここ、は…?」
一瞬、オタクな友人が語った話が頭をよぎった。エロい。すんごく。偉い人はショタな相手がいるって話だったけど。
「起きたか。水を飲むか?話せるか?」
「水を、寄越せ。」
「あげなくていいわ国光。個人的になんかイラっときたから。」
高飛車なのよ!お前はどこぞのお坊ちゃんか!だったら庶民とシンデレラストーリーやっとけ!
「…誰だ、お前は。」
「盗人の住処にようこそ?異人さん。」
真っ青な目が私を射抜く。が!甘く見るな。こっちは武装済み、更に国光と赤也と雅治がいる!数の暴力をなめんな!
…普通に怖いけどさ。
「異人…?俺は、宣教師の血を引いてるだけだ。」
キリスト教の方ですか?ならアレ。アナタは神を信じますかー?って奴?そんな神居たら首締めて現代に帰せと脅すけど。
最早すっかり忘れてたおフランス産予言爺ちゃんとか?
「…よく解んないけど。めぼしい物持ってなさそうだし歩けるなら頑張ってその辺りの山で生き抜いて。私達は私達のご飯で精一杯だから。」
嘘じゃない。こんなでっかい男の子達の食欲はシャレにならない。いっそ焼き肉食べ放題に連れて行きたくなるわ!…そんなもんは存在しないけど。
「異相なら俺もだ。ここなら誰も毛嫌いはしない。狩りが出来れば蛍姉ちゃんは置いてくれる。」
雅治ー!しれっとスカウトしないで!もう狭いのよこの洞窟!火の番に2人交代考える程度には!
「出来る。…置かねえとは言わせねぇぞ?」
あーん?ってむちゃくちゃ腹立つ。…雅治に懐いた、景吾が私にベタベタするようになるのはそう時間が掛からなかった。
…早く小屋を完成させたいと思いました。相模原蛍
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