文句あんのか | ナノ
頼りにしてます跡部様
遼と忍足から説明を受け、跡部は心からの深い溜め息を吐いた。
「遼…お前女として間違いすぎた。この惨状で何も無かったと思う方がおかしいんだ!」
ゴミ箱から溢れんばかりのティッシュ、年頃の男女がキングサイズで一緒に寝ていた上にぴったりくっついていた。条件満たしすぎである。
「おっしー隅っこに転がしたのに引っ付いたんだぜ?俺は癖で丸くなるし。」
遼は首を傾げて忍足は手を叩いた。
「あ、やっぱ寒かったんは隅っこやったからなんや。遼暖房使わんし。」
「第一説明が説明だ!やる事やったようにしか聞こえねえんだよ!」
「…嘘は吐いてねえんだけどな。」
「手塚かて遼が俺んち行くんは知っとるし。何より着衣やし。」
何で誤解すんの?夏場ならともかく真冬で、と2人は理解していない。
「ちゅーか俺、遼にそんなん思た事あらへんし。」
「おっしーは遊んでっからな。俺に盛っても面白さどころか踏み潰すぞ。」
忍足は痛そうな顔をした。遼ならやりかねない。
「遼をマトモな女扱いする事も間違ってるしな。とりあえず、謝るのが最善策だ。」
「…何をどう謝れと?俺別に悪い事してねぇ。」
「一部始終を説明するのも忘れるな。」
「遼が俺んち泊まるんはソファやしなぁ。跡部が同行すべきやない?俺も行ったら余計ややこしゅうなるやろ。」
うんうんと相談改め作戦会議。
「つーかさ、俺相手に盛るとか日照りの余り頭沸いた気がすんぞ?」
「遼、相手は手塚や。絵に描いたような真面目すぎて頭ガッチガチの元生徒会長やで?俺の遊び具合知っとんの氷帝ぐらいや。」
「手塚の野郎も一応男だからな。ある程度はわかんだろ。俺だったらごめん被るな。そこまで節操無しじゃねぇ。」
コーヒーを飲みながら好き勝手言い放題。
「けごたん面食いだしな。ついでに好みじゃないとソッコー捨てるし。」
「最短記録3分伝説破れんわ。カップめんの恋。」
「俺様に馴れ馴れしい上に媚びる女はごまんといるからな。」
「世のモテない男が気の毒だよな。俺も青学以外だとキャーキャー言われる。」
「遼ももうちょい女の子らしい顔やったら変わっとったやろうなぁ。」
豪華絢爛イケメン三人衆、ゴージャス跡部に色気の忍足と危険な香りの遼。マンションの一室で雁首揃えて何とも言えない。
「とりあえずコーヒー飲んで飯食ったら行くか。けごたん何か食う?」
「何があるんだ?」
「みっちゃんのママ、あやちゃんお手製お節と昨日の残りは温めるだけ。」
「遼のカレーごっさ美味いんやで。オススメや。」
三人揃ってカレーを食べ、忍足は引き続き映画鑑賞、遼は着替えて跡部と共に手塚家へ。
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