文句あんのか | ナノ
先人達の知恵


※虫が苦手な方は要注意。実在します。


手塚は弁当を開け、硬直した。

「佐々木ー!!」

「何だよみっちゃん、怒鳴らなくても聞こえるっつーの。」

「何なんだこの黒っぽいバッタは!人間の食べ物か!?」

遼はあっさり頷いて

「東北名物?のイナゴの佃煮。んまい。」

バラミヅキに頼んで買ってもらった。と素直に白状する遼。山形のスーパーには売っている。(実話)

「…そうなのか乾。」

「あぁ。米どころと呼ばれる地域ではよくある。」

「みっちゃんのびっくりした顔見たかったんだけどなぁ…衝撃的すぎたか。」

ポリポリとイナゴを食べる遼だが口の端からイナゴの足がはみ出ている。

「実験台にしたけごたんは動かなくなったし。虫嫌いなのが立証された。」

「佐々木さん…足はみ出てるよ?」

姿煮に近いイナゴの佃煮。と言うか色が変わっただけにしか見えない。足をまた口に入れる遼。

「イナゴが一番お手軽なんだけどなぁ…リベンジで蜂の子やってみっかな。」

「ねぇねぇ佐々木さん、俺も食べていい?」

「おう。一部の地域じゃおやつになるらしいぜ。」

ひょいっと菊丸が食べる。ポリポリと味わい。

「見た目アレなのに美味しい!手塚!食べないならちょーだい!」

甘辛く食感も楽しいと菊丸は楽しげだ。

「遼先輩、俺も1つちょうだい?」

「リョマたんあーん。」

見た目さえ乗り越えれば美味しい。

「…よ、よく食べるね…。」

「そうだな…俺は無理。」

遠い目で大石と河村は眺めていた。

「普通にウマいッスね。」

「栄養価も高いからな。乾汁に追加してみるか。」

「フッ、この俺が食えないものを弁当に入れるような愚行は絶対にしねぇ。」

でも嫌がらせ。知らなければ何だこれはとなるが、ご飯のおかずにもおやつにもなる。知らなさそうだったから遼は敢えて観月に頼んだのだ。反応教えるからと言って。観月も無い事に驚いた裏話もある。

「バラミヅキは進んで食べないけど嫌いじゃねぇらしいぜ。食文化調べてみるかなぁ。」

「…絶対嫌がらせッスよね。」

「愚問だなカオリン。美味しい上に見た目がアレな食いもん探す!」

外国はめんどくさそうだから国内!と意気込む遼。

「…お爺さんが笑っていたのはそういう理由か。」

「知らなかったのか?かっちゃんイナゴ好きなんだってさ。大好物じゃないけど。」

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