文句あんのか | ナノ
話題と人は選ぼう
「は?自殺?昨日は関東で聞いただけで134人あの世に行ったぞ?」
自殺についてどう思う?と手塚に聞かれ生々しい数字を出されてしまった。
「確かに電車は確実何だろうけど乗客の迷惑考えてくれよな。駅員のおっちゃんは慣れたらしいけど新人は必ずリバースするって聞いたな。脳みそ」
「解ったからそれ以上語らないでくれ。」
遼特製じっくりコトコト煮込んだ煮物を食べながら手塚は話題を間違えたと後悔していた。
「つーかさ、生姜結構使ってんだけどイマイチ香りが残らねえな。」
「そうか?臭みを消す効果は充分だろう。」
「俺的に不満。菊猫、あーん。」
「うん!…ほいひーお?」
「お子様舌の菊猫が美味しいってこたぁ改良の余地があるな。時間かけまくったのに。酢を使うから砂糖は外せねぇな…。」
「酢を使っていたのか。」
「みっちゃん…柔らかくするには酢が必須なんだよ。んで砂糖でまろやかに。俺意外に凝り性。」
かなり味濃くしたんだけどなーと弁当をつつく遼。
「遼先輩、卵食べたい。」
「へいへい。ほれ。」
「…佐々木さんって何だか越前のお母さんみたいだね。」
「かわむー。俺のガキだったら馬鹿でかいだろ普通に。」
河村に呆れたように言う。
「でも佐々木さんって洋食和食中華何でも作るって手塚が言ってたよね。」
「流石に専用器具使うようなモンは作らねえぞ。タケピーも物欲しそうだな。どれがいいんだよ。」
「デザートらしきそのちっちゃいケーキ貰っていいッスか?」
「あーうん。抹茶ケーキで良けりゃ。もらいもんだけど。」
「…そもそも何で佐々木先輩が一緒に飯食ってンスか?」
「流れだな。みっちゃんに弁当渡し忘れて堂々とサボる計画頓挫して渋々来たら移動教室三昧で昼まで渡せなかった。んで屋上で俺は食うから華麗におさらばしようとしたらみっちゃんに次もサボるなと。」
「言った記憶は無い。」
「でもみっちゃん行動パターンで言いたい事大体解るぞ?」
しゅうちゃんも食うか?と餌付けしまくる遼。
「タマゴ…俺タマゴが思うような喧嘩売りまくる人間じゃねーから。売られた喧嘩は買うけど。」
「せめてスカートで胡座は止めてくれないかな?」
「短パン穿いてんぞ?」
「大石今更だよん。」
「しかし意外だな。手塚が最も苦手とするタイプの佐々木が作った物を食べるとは。」
「みっちゃんの爺ちゃんと俺の爺さんが知り合いだった衝撃事実以来の付き合いだからな。こないだなんか山連れて行かれたぞ。」
「…連れて行ったのは父さんだろう。誤解を招く発言をするな。」
遼がいると賑やかさ急上昇のテニス部レギュラーの昼食。手塚の機嫌がいくばくかいいのを理解しているのは大石だけである。
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