文句あんのか | ナノ
これが正しい服装


制服のまま遼が立っているのは立海テニス部コート付近。しかし上背と目つきの悪さでかなり目立つ。

「…何でアンタスカート穿いてんの。」

「制服だ。気持ちは解るぞ?俺は絶対に学ランが似合う。でも校則違反になっからさ。」

「お?珍しいのぅ遼のスカート姿。新調したんか?」

「あったりー。青学ってスカート短くてさ、滅茶苦茶不便。ロンスカ特注しようとしたらどこぞの物好きに阻まれた。」

「遼には男のロマンが解っとらんぜよ。」

「理解した時点で女として終わりだろ。ただでさえ終わりかけてんのに。」

「じゃが眺めはよか。傷痕も無いしのぅ。」

「よく見れば切り傷とか銃創とかあるぜ?」

「おん、な…?」

「サダの勧めできっちり着てきたサービス付でも疑問形かよ。サナゲンの反応に乞うご期待って奴?」

「いや、弦一郎は既に思考停止している。」

「ちっ、つまんねえの。女装などたるんどるを期待してたのに。」

「確かに言いそうナリ。」

少し離れた場所で固まっている真田。

「佐々木ー!ひっさしぶりー!」

飛びついてきたのは丸井。軽々と遼は受け止めた。

「久しぶりまるぶん。ほーれお前の大好きな甘ったるい焼き菓子。ジャコに強請れよ?」

「ジャッカルかよぃ…。」

「ジャコにはレシピ教えてもらったからな。」

しゅんとうなだれる丸井。何故か丸井には懐かれてしまっている。

「お、遼じゃねぇか。制服とか初めてだな。」

「おぅ。こないだのレシピの礼とサナゲン&あかやんに証明してやろうと思ってみっちゃんにきっちりした制服の着方習った。」

「習ったって知らなかったのかよ!」

「ジャコ…俺は自分で言っちゃ何だが超適当に制服着てガッコ通ってたぜ。」

「普通お母さんに習わないか?」

「生みの母はいるけど育ての母はいねえ。俺んち父子家庭。」

「あ、わりぃ…。」

「いねーもんはしょーがねぇよ。つーか練習しねぇの?」

「真田が動かんとなぁ…。」

「なぁレンちゃん。衝撃に衝撃加えたら復活すっか?サナゲンならしそうだけどさ。」

「…猫なで声で女口調は余計に固まるぞ。」

「やっぱか。全力は出さねえで裏拳はどうだ?」

「遼!お前さんの力考えるナリ!骨にヒビ入りそうじゃ!」

「サナゲン丈夫そうじゃん。」

「佐々木さん…それは先入観でしょう。」

「ハロゥヒロリン。でもサナゲンフリーズしたまんまじゃ練習になんねぇだろ?妨害に来たつもりじゃねぇし。」

「ふむ。仕方がない。赤也も真田も動揺しきっているからな。」

「あんだけ女だって言ってんのにな。」

「佐々木ー!何だその格好はー!男子たる者女装とはたるんどる!そこに直れー!」


復活した真田。しかしまた固まりその日はジャッカルにとって平和な1日になったそうだ。

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