文句あんのか | ナノ
傍迷惑
ジャッカル、忍足と共に即席のチキンソテーなどを食べた遼。全員頭痛を覚えていた。
跡部からは、今から総力を尽くしてデータを持ってくる、幸村からは入院中の為柳を派遣すると大迷惑だ。
「遼、めちゃめちゃ信頼されとるんやなぁ…。」
「だな…。佐々木と並んだら絶対見向きもしねぇ感じらしい。ブン太が会ったらしいけど。」
「それよりさ、お前ら俺に何を期待してんの?確かにナァ子が攻撃してきたら、即俺は叩きのめして負け組への道に案内する。でも俺はやられてねぇよ。」
「そないな殺生な事言わんで、今すぐ人生負け組にしたって下さいマジ。」
「俺も忍足に賛成。困るんだよ部活で!」
皿を洗いながら呟いたのだが、彼等は真剣に残酷な事をあっさり言ってのけた。また、幸村や跡部もさして意見が変わらないであろうと推察出来る。
「別に実害あるワケじゃねーだろ?サナゲンにたるんどる呼ばわりされるだけで。みっちゃんも微妙っちゃ微妙だけどな。」
「その弦一郎が、何も言えなくなっているんだ。」
いつの間にかはるばるやってきた柳が、ため息混じりに告げる。遼は時間を考えず、大声を上げてしまった。
「ハァァア!?サナゲンが!?あのガッチガチの化石並に頭かったいサナゲンが何も言えねぇってどんな超魔術!?超見てえ!」
「遼、落ち着かんかい。8時過ぎてんで。」
「ま、気持ちは解るけどな…。」
「蛇の道は蛇、と言う事で佐々木に聞いてみようとなったんだが、現時点でどうだ?」
遼は肩を竦め、洗い物を乾燥させ始めるとパソコンを指した。柳がパソコンを一通り見ると、目を見開いて遼に顔を向けた。
「…戸籍が、解らないだと?」
「うん。有り得ねえ事が起きちまってんだよ。テーブルの上に編入試験問題全部ある。サダが七割取れりゃ御の字だと。」
「遼それハッキングとちゃう?」
「ハッキング。サダと探偵ごっこしてたんだけど…それどこじゃ無さそうだな。」
柳も問題だけを眺め、英語だけで首を振った。ジャッカルも国語を読み始めている。
「朝比奈愛美は、何点だった?」
「5教科で486点。バケモンだろ。」
「…出身中学も解らない、保護者すら解らない、不気味だな。」
「そんで男漁りまくっとんねんで?気味悪いわ。やから遼、明日チェックメイト頼んます。」
「けごたんがどこまで調べられっかなぁ、ジャコそれ楽しい?」
「全然解んねえ。」
「てか、柳と桑原どこに泊まるん?」
遼も、一応は女性。気にしなくとも気にしてしまうのが男子だ。しかし、ジャッカルは走って帰ると言ってのけたのだった。
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