文句あんのか | ナノ
ティッシュのように


制服着てるって事は逃げ出しやすくなるかなー?って思ったんだけど評判最悪の真選組の制服なワケで。ロクな事になんねえ。ある意味目印だし。

「さがるん、上白糖取ってくれ。黄色い器の。」

「あ、はい。今日は何作ってるんですか?」

「キャラメル。CMで美味そうだったからさ。」

卵と一緒で火加減が命。暇つぶしに食いもん作ってジャンプ読んでサギとか素人ストレス発散も兼ねてぶっ飛ばす日常。ガッコとあんま変わんねえな。

「さがるん。やっぱ俺檻に入りっぱなしってのは性に合わねえ。楽なんだけどつまんねーんだ。」

「遼さん…?」

「じゃーな。指名手配だろうが何だろうが好きにしろよ。」

ここは息が詰まる。別に頼んだワケでもねぇ、強制だったんだ。何か欲しかったとかもねぇ。荷物はぜんざいに頼めるか聞こう。マンション最上階は、俺の家もある。大概揃えてはあっけど財布がさみしーから。オートロック万歳。犯罪者から政治家までウチのマンションは受け入れます、な考えはねーよ?そこそこ金持ちが住むとこだし。

「革靴はやっぱ走りやすいな。慣れか?」

さがるんの叫び声が聞こえたし、追っ手は時間の問題になる。久しぶりだなぁ、サツ相手の鬼ごっこ。大体の地図はおねーちゃん達から聞いてるし俺ってばよーいしゅーとー。車も入れない道は山ほどあるみてぇだし便利。

「攘夷志士が都合良く騒ぎ起こすとは思いにきぃ。そもそも金で解決する事しかやってねぇし。」

裏路地から知った気配を辿っていく。前の借家方面に行ってんな。屋根は疑えって言ってるモンだし、マンションに行くか。バズーカ使われない事を祈ろう。逃げ切れっかな?

「帯刀させてねぇのがアダになったな。これにて遊びは終わりです、アデュー?なんつって。」

逃げ切れた。案外レンちゃんとかサダに指揮やらせた方が厄介な気がする。データ収集人間だし。ただ、俺の背は高いから確実に調べ上げるだろ。さがるんがサギ調べた時の話をマトモに考えれば。

「手駒は…そうだな。次課長使うか。メチャクチャ嫌われてっからなぁ。」

スレたガキの悪知恵は甘く見てもらってナンボ。調べて生かす、それが情報戦。幕府に目ェ付けられる覚悟でやんなきゃ逆戻り。中学生相手に大人気ない国だよなぁ…。真面目に作戦練らなきゃ負ける。鬼兵隊と春雨と真選組、この3つに溝鼠を突っ込んでどう転ぶかな?生き抜かなきゃ帰る方法探すのもむずい。

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