文句あんのか | ナノ
楽しかった鬼ごっこ


デパ地下に頼んで真剣白刃取りだけ習った。結構痛い事は解った。デパ地下の剣は折ってねぇから。

「皮切ってダメージはともかくいてぇ。我慢すりゃ何とかなっかな?」

「手の使い方教えただけで俺の剣止めて我慢とか傷付きまさぁ。遼、ダラダラ流してんだからさっさと手当てしなせぇ。」

「ハイハイ。ありがとな。生かさない事鬼兵隊の連中に祈っとく。」

消毒、軟膏、包帯。着物も汚れたから着替えよ。

「知らざぁ言って聞かせやしょう。…続き何だっけ?教科書にあったハズなんだけど。」

古典に歌舞伎だか何だかの有名な一節が。テスト前に覚えたんだけど。浜の大魔神じゃなくてなんか。

「天井の人。続き知ってっか?」

「あなた、銀さんの何かしら?この間追いかけられてすごーく羨ましかったわ!いい気になるんじゃないわよ、銀さんはあなたみたいな人を好きになる人じゃないわ!」

いきなり不法侵入しといてマシンガントークって。追いかけられて羨ましかったって結構アレ足の指痛いんだぞ。そこまで鼻緒に慣れてねぇんだから。

「言っとくけど。俺今年で15の中学生なクソガキ。サギが手ェ出したら犯罪だろ。間違いなく。」

そのガキに沈められてたワケだし。なんでその発想が出るんだよ。しかもそこまで面合わせてねぇよ。

「あぁ、銀さんってばそういうプレイが好きだったのね!?私とした事が不覚だったわ!」

「…どんな不覚だ。」

アンタ。俺の顔と身長分かってんのか。どっからどう見ても100パー野郎に間違われるのが当たり前な俺だぞ?学ランの方がナチュラルな俺だぞ?

「粗野な仕草のワイルドな女の子が好みだったって事よね!そんな女の子をいたぶって楽しみたいのね!?有り難う!」

名乗りもしねぇで眼鏡落したままどっか行った。…この着物もダメだな。また買って来て貰おう。マンション出来たし。評判いいし。地球に優しいのか?オール電化って。とりあえずあの謎の姉ちゃんはサギに言い寄ってんだろうな。人の色恋はからかう以外で首突っ込まない主義だから。そして人の話聞かねえ連中ばっかだから面白くない。

「デパ地下。なんか部屋に侵入者居た。帰ったけどここのセキュリティ大丈夫なのか?」

「鬼兵隊じゃあなかったならいいんじゃねぇんですかぃ?」

「名乗りもしてなかったけど眼鏡忘れてんだ。どこのバカ?」

「そりゃさっちゃんだろうな。近藤さんの親戚みたいなモンでさぁ。」

ストーカーか。犯罪者らしさねぇな。開き直った奴は厄介らしいけど。

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