文句あんのか | ナノ
ジャッカル並みです


特にやる事も無いから、素人の見回りに付き合って噂話聞いてる俺。…なんでサギと出くわしてギャーギャー騒いでんだ。素人が。しかも両腕掴まれて困ってんだけど誰か助けて。色々案はあるけど俺荒事専門。察してくれ。

「オイオイ鬼の副長ともあろうお方が遼ちゃん引きずり回してデートの練習か?彼女が出来ない高校生かコノヤロー。」

「そう言うテメェも遼の腕から貧乏くさいきたねぇ手離しやがれ。たまには遼も出歩きてぇんだ。」

「出歩かせるなら銀さんの方がこっち詳しい!」

「させるかぁぁぁ!どーせろくでもねぇとこ連れ回すだろうが!」

見物客出来てんだけど。こいつらどう止めるべき?ホントに大人か?道端で野郎にしか見えねぇ俺の腕掴んで口喧嘩って。ある意味絶体絶命。昼メロ男バージョン?生で見るのも体験すんのもイヤだな。

「遼ちゃん今年で15の女の子なんだから土方君そーゆーのダメだって。」

「解ってんならテメェ離しやがれ。遼も困ってんだろうが。」

「いやいや、それは君が離さないからであって銀さん悪くないよー?」

どっちにも迷惑してんだよバカ共が!めんどくせぇから仕留めない程度にぶっ飛ばしてやろうかマジで。

「明らかにテメェが悪いだろーが!!遼、振り払ってやれ。殺すなよ。俺が斬ってやる。」

「遼ちゃん、そのマヨラー侍ぶっ飛ばして?んで銀さんとイチャイチャデートしよ?」

…まさにダメな大人。中学生デートに誘うって。しかもいがみ合ってんの片方警察の人。こっちの警察もろくでもねぇなぁ…。こいつら大体身長同じ?

「めんどくせぇ…仲良く沈んどけ。何なら東京湾でコンクリ詰めにしてやっから。」

思いっきり頭をぶつけさせてみた。…イライラしてたんだなぁ…スッキリした。手は引っ剥がして着物を整え、俺はのんびり街を歩く事にした。…奴らかなり丈夫だからどの辺行こう。

「何しよ。溝鼠んとこにピンポンダッシュして遊んでやるかな。」

「遼ーー!!」

もう復活しやがった。早いなマジに。追っ掛け回されんの久しぶりだ。逃げ回って日が暮れるまでとか楽しそう。と言うワケでダッシュ!

「マヨラー侍のせいで遼ちゃんすげー速さで逃げてんじゃねーか!」

「テメェのせいだ天パー野郎!遼!待てぇー!」

古今東西、待てと言われて素直に待つ奴は居ねえ。敢えて待つのは一回こっきりだろ。結局日が暮れる前に奴らは撒いた。屯所に帰ったら力尽きた素人がいたのに笑った。

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