文句あんのか | ナノ
負けず嫌いの意地っ張り
「佐々木。今週のジャンプ持ってきたぜ。」
「あ、ありがと。ほれ、魚の煮物ときんぴらと先週のジャンプ。」
「ありがとよ。こないだの白和え旨かった。」
雨でも天井裏からこんにちは、なぜんざい。延びるとか焼きたてが美味い料理は除外だから厄介だ。煮物はチンすればいいだけだし。局中法度?俺真選組じゃねぇから。食堂のおねーちゃん達からやたら人気あんのが悲しい。
「遼、野郎泣かせも程々にしろよ?土方さん泣きそうで爆笑モンでも。」
「デパ地下、なんで素人が泣くんだよ。あ、アレ?食堂のおねーちゃん達の人気根こそぎとったから?」
「遼さん天然サド…。」
「つーか、野郎なら数える気も起きねぇぐれぇ泣かせてきたぞ。一年の時に黒板投げて先生は勿論サツとクラスメートも泣いた。」
「そりゃ泣きまさぁ。」
「泣かせ方が違うから!!悲しいんじゃなくてそれは怖さで泣いてるから!お茶どうぞ。」
真剣対策、させてくんねえんだよな。折っても買えばいいだろ?独り身の公務員って金持ちなイメージあんのに。近藤君はともかく。ストーキングにかなり使ってる節がある。
「さがるん…黒板投げたぐれぇで大人が怖くて泣くのかよ?金の問題で泣いたんだろ。」
「それでも沖田隊長の野郎泣かせとは意味が全く違うから!遼さんニブすぎますから!」
何が鈍いんだ。レンちゃんのデータ見せて貰ったけど自販機持ち上げる速さが二秒ってあったぞ。遅いのかそれ。
「ガソリン積んだトラックに挑戦」
「するなぁぁぁ!!被害が人の心にも及ぶって!」
「投げるなら死なない程度に土方に投げてくれよぃ。確実に。」
「自販機なら当てる自信あんぞ。」
「非常識かつサディスティックな会話をナチュラルにすんなぁぁ!!」
俺は現実的な事真面目に言ってんのに。道端にあるモンなら大概当てる。慣れって恐ろしい。
「でもさ、鈍いって何の事だよ?俺ガッコで一番足速い。反射神経もかなりいい自信あんぞ?」
「化け方がとんでもねぇ遼だからギャップがすげぇんだよ。」
「普段は美形な男に見えても、女の人でちょっと化粧しただけでスゴく綺麗ですからね。」
「つまりアレ?化けた俺に素人が惚れたとかそーゆーロリコン疑惑ありそうな話?」
化けた女なんてナンボでもいんだろ。つーか俺中学生なんだけど解ってんのかお前ら。
「遼…全く脈無しに見えんだけど。」
「副長意地っ張りですからねー。」
意地っ張りなんだ。俺も結構痛いの我慢するけど。
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