文句あんのか | ナノ
マヨネーズ味
連れ戻された。ラッコ(桂小太郎って聞いたから。)に逃げられて帰ったら俺も逃げてて大捜索やってたらしい。…二時間以上ぜんざいとギャーギャー騒いでたんだけどな。前みたいに神出鬼没じゃねーんだけど。もしかして無能?
「小学生時代が懐かしいなマジに。」
四年生ぐらいか?踏切壊してメチャクチャ警官に怒られた。オヤジは笑ってたけど。やんちゃで済ますオヤジだからな。
「何が起きてもおかしくねぇんだよテメェは。遼、お前鬼兵隊に狙われてんだぞ?危機感持て。」
「お家に帰っただけじゃねーか。」
よい子の鑑だろ。素人みてぇなのと団子食ってたら俺の中の何かが切れて暴れたくなんだよ。何でもマヨネーズ使いやがって。なので見ない!ここまで味覚破壊的な奴いねーよ。おっしーのがマシだ。お好み焼きおかずに白飯だからな。ゆうたんだって砂糖ガバガバ入れる物選ぶ!
「遼、ちょっとこっち来い。真面目な話だ。」
「んぁ?なんだよ。」
素人の前に座ろうとしたら腕引っ張られた。…俺の筋力解ってんのか?
「空気読め。」
「KYはお前だ。何しようとしやがった。こーゆーのか?」
素人の顎を掴んで軽くキスしてみた。臭いがアレだ。ヤニとマヨネーズと団子の甘さが気持ち悪い。
「マズッ。食後に試すもんじゃねぇな。」
思わず口擦るって。素人動揺してんだけど。お前みっちゃん並みに純情だな。まーくんのが手慣れてんぞ。まるぶんは弟みたいなもんだからほっぺちゅーでもくすぐったがる。タメなんだけどな。
「お、おま…!?」
「オヤジがインターナショナルな奴でな、アメリカかぶれなんだ。」
よってそこまで俺は気にしねぇ。ファーストキスが女だったのが決定打。嫌がらせにはよく効く。あっちじゃ疑惑持たせて遊んでたけど。口ぱくぱくさせて面白いな。
「いやぁ予想外な反応有難う。慣れてるモンだと買い被ってたな。」
顔も真っ赤でからかいたくなる。超楽しい。大の男がこんなのにキスされて真っ赤になるなんてなぁ?こっちが照れるって。
「あぁ、安心しろ。テメェにゃ二度とやんねえから。臭いし。」
「おま、遼。慣れてんのか!?」
「嫌がらせに何回か。」
お姉様方の別れる口実作りに協力した事もあるし。見た目は特上の野郎に見えるらしいから。ぶっちゃけ悲しい現実。化粧で化けても俺は俺でしかねぇ。
「…嫌がらせってお前ガキか。」
「立派なおガキ様だ。クソが付くぐれぇの、な。」
思わず笑っちまう。今更すぎだろ。
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