文句あんのか | ナノ
しょっぱすぎだ


大概、護衛と言う名の見張りが俺にはつく。だって、俺遊びに行きたい年頃。さがるんが油断こいたら問答無用で壁飛び越えて脱出。そしたらデパ地下にバズーカぶっ放された。生きてんのが俺も不思議だ。

「佐々木さぁぁぁん!!何故か真選組に佐々木さん宛ての手紙と荷物が!」

「何故かって俺も聞きてえよ。差出人誰?」

「神威、って書いてありますけど。」

「焼き捨てろ。俺を野郎だと思い込んで送ってきた野郎からのラブレターのように。そっちの人からのラブレターは燃やしていい法律がある。」

「ねーよそんな法律!」

女子中学生が貰って嬉しくねえよ。けごたんも毎日送られて苦労してるし。モテる男の宿命だな。よって俺は女なので該当しない。…ハズなんだよ。

「とりあえず、手紙だけでも読んであげて下さいよ。差出人が可哀相じゃないですか。」

嫌な予感しかしねぇから焼き捨てろって言ってんのに人の話聞けよ。つーか春雨の人らしいんだが。メジャーな名前なのか。忍者にいたけど。

[遼ちゃんへ。鬼兵隊にスカウトされたんだってね。しつこいよあの人達。強い子供産むまで死なないでね。結構楽しみにしてるよ。遼ちゃん、死なない程度に頑張って。神威]

「今年で15歳のクソガキに妊娠出産育児の三大原則が出来るかぁぁ!!俺は自分の事でキャパオーバーしそうなんだよ!」

やっと生理マトモに来るようになってからイライラ増えてんだよ!毎月毎月めんどくせぇ。つーか死ぬなとか生きてる事が不思議な状態だっつーの!

「荷物に反応は無かったんで、安心して下さい。」

開けた。…特注としか思えない、超豪華な着物がみっしり詰まってた。それ以前の問題に、なんで神威が俺の足のサイズ知ってんだ。足袋とか草履あんだけど。着物着せられた正月も裸足だったんだよな。いやーこれでハジキとか入ってたら楽しかったのに。つーか、俺に髪を伸ばせと?簪とか使わねえよ。

「…彼氏…なワケないですよね。」

「居たらかなりの物好きにしか思えねぇ。オヤジぐれぇだったよ、俺に女物着せて喜ぶのは。」

「着付けしますから着てみましょうよ!」

「一回こっきりな。」

俺に服くれる奴なんて居なかったしな。一回ぐれぇ袖通してやるか。ショートカットに晴れ着は微妙な気がするけど。成人式なんてまだまだ先の話だぞ。さがるんに女物の着付けさせるって…さがるん、着た事あんのか?そして俺は現代っ子だから知らなくて普通。

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