文句あんのか | ナノ
許せ…栗子さん!
予定時刻は十時。まぁみっちゃんのネチネチした教育の賜物?で五分前到着。…栗子さん来てるし。
「あ、遼様!」
「悪いな、待たせて。もうちょい早く来るべきだったな。」
一刻も早く女である事を証明する為に。そして刺すような視線がさ。俺を殺す気か栗子さん。様って。けごたんか?あとベッキンガムか?
「いえ、私も今来たところでございまする。」
ベタすぎて泣けそう。帰りたいよ。いやマジで。
「待ち合わせに遅れるなってよく言われてたし、待たせんの嫌いだから。」
「気持ちだけで嬉しゅうございまする。」
逆効果?けごたんどうしようコレ。氷帝が得意だよなこういうの。まーくんも得意だよな。助けて!
「見たいモンあるんだろ?行こう。」
早く女である事を証明する為に!
「はいでございまする!」
そういう笑顔は野郎に向けてやってくれ。泣きたくなるから。オヤジ、恨むからな心の底から。
「形態が微妙に違う…。」
「遼様、水族館は初めてでございまするか?」
「あぁ。」
こっちはな!変な生き物だらけじゃねーか!んで視線が痛い。今度落ち着いて見に来よう。チラッと見た感じデパ地下がいた。真選組関係者って事だよな。…まぁ男女平等怪しいのは一緒みたいだけど。あんま深入りしないでサクッと証明して諦めてもらう。
「遼様、ショーの時間でございまする!」
「栗子さん、もう少し落ち着いて。ショーは逃げないからな。」
俺より年上にしか思えねぇんだけど、何この落ち着きの無さ。女子高生ぐらいなのか?…最前列で濡れたら流石に貧相な胸が解ると思うけど。座れるか?
「…シャチなのか。イルカだと思ってた。」
裏話は結構聞いたけど、ショーになるんだな。栗子さん、ちょっと有難う。最前列座れたし。
「スゴい大きいでございまする!」
「おい、遼。何で栗子と知り合ってデートなんざしてんだ。」
デパ地下有難う。ちょっと手伝え。
「断る余裕無かったんだよ。証明はして諦めてもらうから。」
ショーで、髪の毛も服も濡れた。栗子さんも、ちょっとだけな。
「あれ…遼様、胸元が。」
「あぁ。俺は女だ。下にも無いし、14の女。やっと言えた。」
「おん、な?」
「嘘吐いてどうすんだ。そっちの趣味はねぇ。楽しかったよ。風邪ひかないようにしてくれな。」
栗子さん固まった。あー大変だった。俺が風邪ひきそうだ。早く帰ろ。
「遼、これ着とけ。」
「悪いな、デパ地下。後頼んだ。」
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