文句あんのか | ナノ
むやみな殺意が
調べりゃ調べる程、後ろ暗い噂が絶えないってどんな信用商売だ。まぁそれでも前の俺んちベースに建築する事になった。オヤジの凄さを実感。伊達にニューヨーク支部長やってなかったな。
「バカ親でも親は親だったんだな。お登勢さん、俺未成年なんだけど店で飲むのがお礼になんの?」
「充分さ。遼はババアの話を聞いてくれる孫みたいなもんだよ。」
「話してくれるなら何時まででも付き合うぜ。」
「お登勢サン男女ノ孫ガイインデスカ?無意識ニ口説いてマスよ。」
「キャサリンお前は黙っときな。年寄りは若くて聞き分けのいい子が好きなんだよ。」
俺に殴りかかってくる年寄りなんて見た事ねーよ。ハジキ使うのはいたけど。それに派手な戦争やったらしいからな、聞ける話は聞いておきたい。
「我ながらクソ生意気なガキだと思うぞ?人の弱み握ってあれこれやってんだからな。」
「今年で15なんだろ?まだまだ先は長いさ。見る目があんのはいい事だとアタシは思うよ。」
お登勢さんとのんびりお話中。酒瓶何本か転がってんだが、イマイチこれってのが無いな。日本酒メインのラインナップだし。他の客はタマとか言うロボットに夢中みたいだ。
「とりあえず、隣で米に小豆乗せて高カロリー摂取してる奴がいると酒がマズくなるのは解った。」
大量のマヨネーズにしろ小豆にしろ米を侮辱してる。おかずの味付け全てを否定してんじゃねーか。料理をする者として俺は許せねぇんだ。マジに。オイスターソースと普通のソース間違うみっちゃん以下だ。
「俺の宇治銀時丼に文句あんのか。」
「大有りだ。せっかくの酒が台無しじゃねぇか。」
「遼、そこのバカは気にしてたらキリがないよ。家賃滞納するろくでなしだからねぇ。」
お登勢さん、アンタお人好しなんだな…。俺はオヤジに頼まれて毎回叩き出してたぞ。
「お登勢さん、苦労してんな。もうしなくていいってぐらいに。」
「性分さ。もう直しようがない年だからねぇ。」
「俺はどう変わるか楽しみなんだけどな。殴り合いじゃ負け無しだし。負けた俺がどうなるか、それも興味ある。」
予想すら出来ないけど、いつかは負ける。そりゃ女である限り仕方ない。って真面目な話してんのに…真横でリバースしてくれやがったぞサギ。
「なぁお登勢さん。酔った勢いって事でコイツ殴り殺していいか。」
「遼…全然酔ってるようには見えないよ。家賃払わせてからにしとくれ。」
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