文句あんのか | ナノ
妙に常識的


意外に平和だった。とりあえずホスクラの用心棒兼案内役やり始めて、何人か吹っ飛ばしたらやりすぎでクビに。ゲス野郎に手加減してやる女はいねぇ。ホスクラになんで野郎が来るのかとか気にしない。ややこしいから。

「あ、佐々木さーん!」

「さがるん。何してんだ?役人が行くならいいとこあんだろ。場末だぞこの辺は。」

あっちじゃトップクラスから底辺まで見て来たから大体解るんだけど、こっちもそんなに変わらねえ。かぶき町なら大体地理も把握したしな。

「土方さんが探してたんですよ。局長がうるさいからって。」

「見つかったな。良かったじゃん。」

「えぇホント見つかって良かったです。」

さがるんミッションコンプだし、結構稼げたから土地転がしやるのもアリだな。噂が流れるのを怖がって、色付けて給料払ってくれたし黙ってやるさ。弱み握って楽しくはないけど生きる知恵だ。帰ろ。

「つれねぇなぁ遼。人が探してたのに帰るたぁ。」

「さがるんは俺見つけたからミッションコンプしたじゃん。そもそも、チンピラ警察に追われるような真似してねぇよ。」

俺は別に世の中まとめて一週間…じゃなくてひっくり返すつもりは全く無いし、特に誰かを守り抜くつもりもねぇガキだ。壊す気にもなんねえ。

「攘夷だなんだとは騒がねえし、馬鹿力でやたら詳しくなったぐらいだからな。近藤さんと総悟がな、遼の飯が食いたいんだと。」

「素人に作ってやる飯はねぇ。一生マヨネーズ啜っとけよ。」

見てて気持ち悪いぐらいコレステロールの塊ガツガツ食いやがって。コールスローでもあそこまで使わないっつーの。うわ、思い出しただけで鳥肌が。せーりてき嫌悪って奴だな。

「マヨネーズバカにすんなよオイ。」

「誰がするかたまに使うんだから。お前バカにしてんだよ。」

油の代わりに使えるんだぞマヨネーズは。つーか。俺の歩幅デカいって結構色んなとこから文句出るんだけど…なんで意地張って早歩きしてんだ?

「上等だ剣を抜けぇぇ!」

「持ってねぇよ。っと。素人さ、俺んちとここの地理解ってんのか?ヤニくせぇから密着したくねぇ。」

曲がり角でぶつかるって。出会い頭の少女マンガじゃねぇけど。意地張って早歩きしてた素人って…あんま頭良くないのか?近藤君の周りってそういうタイプなのか?

「もう少し恥じらいとかねぇのかテメェは。」

「身長差とツラ考えろ。」

セオリーは逆だろ。女が早歩きだろ?間違ってるか?

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