文句あんのか | ナノ
マヨネーズに恨み


とりあえず、服は何とかなったけど家がな。昼間にちょこまかしなきゃ難しいし銀行行けなかったし。適当に泊まるか。

「そんじゃ近藤君、和服ありがとな。俺行くから。縁がありゃまた会うだろ。元気でな。」

「佐々木君!女性1人でかぶき町は危ない!」

俺をマトモな女として見るのも、近藤君だけだと思うぞ。電柱振り回す女ってそんなにいるのか。

「こんなナリで女扱いされるもんか。一応役人なんだろ?部外者はさっさとずらかるし、長居させるもんじゃねぇよ。」

飢えてるとは思えねぇけど俺に手を出す物好きは居ないって。うん。

「佐々木君…気遣わせてすまない。」

「最後に質問。素人がなんで感動してんだ。」

俺そんなイイ事言ってねぇから。当たり前だろ。裏と表の区切りは出来んなら付けるモンだろ。

「あんな傷だらけで手当て要らねえって…。」

いつの話だ。着替えた時か?つーか掠り傷で血が出なきゃ手当て要らねえよ。傷痕山ほどあんぞ。

「なぁデパ地下。なんで足踏みながら裾握ってんだ小学生か?」

総悟、そごう、デパートじゃなかったっけ?でデパ地下に決定。今日の寝床探しに行きたいんだけど。キングサイズのベッドは諦めっから。

「佐々木君、今日は泊まって行くといい。総悟もトシも名残惜しいみたいだ。俺もだけどな。」

俺に拒否権無しかよ。2人して刀準備オッケーとか殺す気だろ。弁当箱も教科書もカバンの中で出る気満々だったのに。

「見張り立ててまでなんで泊まらせんのか…。」

風呂上がり。ちょっと買い物行って下着とかパジャマとかは買った。布団で丸くなりながらうつらうつらしてんだけど。見張りうるせえから殴り飛ばしてやろうか。安眠妨害は俺の敵。

「…落ち着かねえ。」

知らない気配ばっかでうるせえし、こんな事になるぐらいなら1人で寝たい。整理させてくれよ頼むから。訳わかんねーし。眠れるとは思うけどな。こんな野郎だらけのとこで雑魚寝よりはマシだ。

「詮索すんのは趣味じゃねぇんだけど掴んでおけるならやっとかねぇとな。」

こういう表のとこは何かと後ろ暗い事の3つや4つあるもんだ。お偉いさんの懐は遠そうだけどな。人間関係ゼロからってめんどくせーよ。結局、何とか眠れた俺は朝飯作って面あわせる前にずらかった。ズルズル引き止められるの嫌だし、やってんのが役人だぞ?そう簡単に捕まってやるつもりは全く無い。マヨネーズトラウマになりそうだった俺の精一杯だ!

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