文句あんのか | ナノ
ミニスカセーラー


身寄りも無けりゃガキの俺は、ここじゃ腕っ節だけが頼りになる。把握するには軽く見積もっても、二週間ぐれぇかかる。んでもってミニスカセーラー服だからな、とりあえず洋服と言うか和服なんだが、着付け覚えてねぇ。

「なぁ近藤君、俺みたいなバカでかい奴が着れる服仕入れてる店、教えてくんねぇか?後相場。金持ちの娘やってたから倹約覚えなきゃいけねぇ。」

「それなんだがな、佐々木君。俺の着ていた服で良ければ何着か譲ろう。金はいらない。心の友に遠慮はしないでくれ。制服ではない普段着であまり使っていないのがあるからな。」

「そりゃ助かる。晩飯作ってやるよ。後着付けも教えてくれ。」

ただな。近藤君と俺の視点は近いけど俺は一応女なんだ。女にしちゃゴツいけど野郎と比べりゃ細い微妙な体型。確実に緩い。胸板薄いんだよ!みっちゃんの制服も短いけど、ベルト緩かったんだ!と言うわけで真選組の屯所とやらに来た。…ここ、ホントに役人のいるとこかオイ。軍隊か?

「佐々木君、茶でも飲んで待っていてくれ。」

「おー。前と違って暇人度数大幅アップしてっから気にすんな。」

モロ水道水なお茶を飲みながら、いつ帰れるのかさっぱり判らないと考える。局長だっけか?ミニスカセーラー服の野郎連れてきたって…好きでこんな格好してねぇから。ガッコ行くつもりだったから。出刃が目する暇ある役人って、俺から見れば給料泥棒だぞ。

「コレなんだがいいか?」

「あー、うんシンプルだしな。動きやすそうだしサイズは何とかなる。」

針と糸で多分。洋裁はやれっけど、和裁やる必要無いから覚えてねぇし。

「着方はトシに教えさせよう。悪いんだが用事があってな。」

ストーカーか。ストーキングに行くのか。侍ってストイックなイメージ出来んだけど。サナゲンみたいな。ノリ悪くて暑苦しい。

「何だぁ近藤さんってさっきのバカでかい野郎じゃねぇかぁぁぁ!犬猫拾うのと違うぞ近藤さん!」

こんな捨て猫いたら嫌だって。見なかった事にしたくなるから。

「佐々木君は犬猫なんてものじゃない!ゴジラと呼ばれてしまう心の友だ!」

フォローになってねぇんだけど。親近感遠ざかったぞたった今。…と言うかこいつら本気で大人か?部外者の前で堂々と部外者の悪口言い合って。マナー習わないのかこの世界。みっちゃん辺りグラウンド走らせたくなる感じだぞ。お茶飲んどこ。マズいけど。コーヒーが恋しいなチクショウ。

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