文句あんのか | ナノ
ダークマター?


近藤君は大変いい人だ。不気味なぐらいポジティブシンキングで誰かの長所に気付ける大変いい人だ。大事な事なので二回言った。フォローじゃねぇから。詳しく、バカにも解るように説明してくれたんだけどな…近藤君がすげぇバカだと気付いた。ストーカーってお前。

「佐々木君、何か解らない事があれば聞いてくれ。出来る限り答える。」

「ん、大体解った。どうすっかな。この上背に馬鹿力と目つきの悪さは折り紙付きだからな。」

バカを説得するのは難しいんだよな。戸籍無いし。どっかのボディガードとかそんなん出来るか?調べるにもまたコネを1から作らなきゃいけねぇし、警察には面通したから弱みはじっくり握ればいい。二年で済まない気がすんなぁ…。

「佐々木君は何がしたいんだ?」

「とりあえず衣食住を何とかしてそっから収入か?飯は作れるし手先は器用な方だからな。情報入手もやんなきゃいけねぇ。今までの常識と違うからな。」

流石に刀振り回されたり、バズーカぶっ放されたりして無傷ってのは無理だ。つーか死ぬ。解説にレンちゃんとかサダとかバラミヅキが欲しい。実戦じゃカスでもデータ好きは便利だ。なんで俺だけこんな事なってんだよ。

「料理が得意なのか?」

「食える程度には。」

でもハーブとかスパイスとか鍋とか用意しなきゃなんねえから困る。ガスレンジとかオーブン背負う暇があったら背負った。電線あるし多分大丈夫だったと思いたい。…無いけど。

「一度食べてみたいな。まぁ、お妙さんの卵焼きには敵う筈もないが。」

「…黒い卵焼きって聞いた事がねぇ。ゴマかなんか入れてんのか?」

しかも何とも形容しがたい素晴らしい匂いって何?卵焼きってそんないい匂いしねぇだろ。目玉焼きとかスクランブルエッグの進化なんだから。つーか卵焼き以外の料理見てないって…?ストーカーやってんのに?それしか作れないという可能性あるよな。俺間違ってない。

「お妙さんは恥ずかしがり屋でな、見せてくれないんだ。」

「…そうか。今度作ってやるよ。」

嫌な予感がした。これ以上聞いたら不幸になる、そんな予感。嫌な予感はよく当たるらしいし。

「佐々木君の得意料理はあるのか?」

「んー。敢えて言うなら和食だな。煮込むのも下拵えに手間暇かける。隠し包丁とかな。」

かっちゃんが洋食続きだと文句垂れるから。みっちゃんも嫌みたいだったな。野菜炒めは分類出来るのか聞いてみたい。

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