文句あんのか | ナノ
痛いよ兄ちゃん


と言うわけで自称土方(名字はあるかもしんないけど新撰組セットはねーだろ)を振り切って滅茶苦茶困りました。応援呼んでやがるあの野郎。現在裏路地でヤンキー座り中。いっそ電柱振り回してビビらせようかな。

「はーいそこの変態今すぐ足閉じて大人しく投降しなさーい。」

短パン穿いてんのに変態呼ばわりたぁいい度胸してんじゃねぇか。

「俺だって好きでミニスカセーラー服着てねぇぇぇ!!」

キレた俺はとりあえずあるもんブン投げた。…あ。警視総監居ないんだった。と思った頃には、俺に喧嘩ふっかけた兄ちゃんの刀へし折ってました。…どうしようこれ。兄ちゃん手加減してたっぽいし、コレってどう見てもプライドと刀へし折ってるよな?半分ぐらい折った。落ちた。ヤバい。マジで逃げきれるか?

「総悟!無事か!?」

「近藤さん…刀、貸して下せぇ。本気でこの野郎斬りたいんでさぁ。」

あ、完全に目が据わってるこいつ。…表の人間か?何人も殺したヤツみたいな雰囲気あんぞ。

「野郎呼ばわりは慣れてんだけどさ。素手に刀とか大人気ないぞ兄ちゃん。」

「素手…!?君は、素手で総悟と!?」

「正確には路上の電柱とかガードレールとか色々だけどへし折ったのは素手になるぞ。…」

「…」

近藤さん?とやらと目があった。何かが通った。力強く握手!一応俺は緩めに。馬鹿力だし。

「…近藤さん、親戚か何かですかその化け物。」

「親戚と言うよりは、鏡のような感じだ。」

「あ、もしかして兄ちゃん人類扱いされない?」

空いた手を上げる。何か親近感あるぞ。

「あぁ!ゴリラと呼ばれてしまうんだ。」

「俺なんてゴジラとか呼ばれてんだ。兄ちゃん、俺佐々木遼。一応女。」

「俺は近藤勲、一応男だ。くれぐれも宜しく心の友よ!」

近藤勲…微妙に似てるのは親が新撰組ファンとか、そういう悲劇だろうな。初対面で心の友とか、生まれて初めて言われた。14年しか生きてねえけど。

「なぁ近藤君、俺自称新撰組の土方に追っ掛けられてこうなったんだけど説明してくんないか?」

「あぁ佐々木君。俺の知る限り何でも話そう。君が何かしたとは俺には思えないんだ。」

「思いっきり俺の刀へし折ってやがりまさぁ。」

毒気を抜かれたらしい、みっちゃんと同じくらいの身長の兄ちゃんはほっといて近藤君と友情を深めるべく俺は歩き出した。多分、指揮官は近藤君だな。こういう勘はあんま良くない。

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