文句あんのか | ナノ
登校しようと家から


ちょっと待て。俺今さっきマンションから飛び降りてガッコ行こうとした。うんこれは間違いない。誰もいなかったし建物あるハズ無かった。じゃあこの状況何なんだ?

「えっと…辰馬さんの知り合いとかですか?お兄さん。」

「お兄さんじゃねぇしタツマって誰だ。あー池袋の下っ端がそんな名前使ってたな幕末ファンとか言ってたし。オタクに近かったぞ奴は。あんなんと知り合いってロクな人生送ってねえな眼鏡少年。いや年上か?今時和服着てるとか珍しいし知らねえハズねぇんだけど。佐々木遼って聞いた事あるだろ?奴が話すぞ。」

「どこから突っ込むべきか悩むんですが佐々木遼ってどちら様?」

「俺だけど。あ、制服だから分かんねえ?いつもメンズ服だからなー。ガッコ行こうとしてマンションから飛び降りたら何故か天井突き破ってここにいるんだけどここどこ?」

「かぶき町です。」

「はぁ?何で青春台から歌舞伎町に瞬間移動?うわ最悪。みっちゃんに弁当作ったのに間に合うかな。菊猫もエビフライ食べたがってたから激辛にした俺の努力返せ。」

「青春台?どこですかそれ。江戸にはありませんよそんなダサいとこ。」

「江戸?東京だろ。何でそんな古臭い言い回し?サナゲンの親戚か?」

「…よく解らないので銀さん呼んできます。待ってて下さい。」

名乗りもしない眼鏡少年はどっかに行った。菊猫より小さいか?まるぶんとか慈郎丸サイズ。つーか歌舞伎町ってこの時間は静かなはずなんだが。酔っ払いが寝てたりするぐらいだし、今歓迎会シーズンだし。

「朝っぱらから天井突き破って来てここどこ?って記憶喪失ですかコノヤロー。人んちの上空何メートルから飛び降りてんだ。」

「俺んちは15階だから単純計算で45メートル前後だな。後で色付けて小切手送るから。」

「…小切手?」

「あーうん、普通の女子中学生は使わねえな。けごたんとかあの辺は使いそうだけど。…はぁ!?けごたんにワガママ言ってGPS付けたのに電波届かないって何なんだこの現象!チクショウ後で肋骨へし折ってやる!」

「女子中学生…?GPSってお兄さん何の話?」

「携帯。んで俺はお兄さんに見えても女だ。認めたくない気持ちは俺も解るからな。性別間違って生まれた自覚はある。…財布に幾らあったかな。あ、サカッティーからゲンナマ貰ってたし二百はあるか。」

「…お姉さん?」

「いやまだ誕生日来てないから14なんだけど。見えなくても。」

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